2017 Fiscal Year Research-status Report
運動によって獲得される腸内細菌叢の変化ー運動の休止と再開がもたらす影響ー
Project/Area Number |
17K01878
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Research Institution | Aichi Toho University |
Principal Investigator |
谷村 祐子 愛知東邦大学, 人間健康学部, 助教 (90551458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00305575)
青井 渉 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (60405272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脱トレーニング / 加齢 / 運動習慣 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,腸内細菌叢の変化は代謝や内分泌,免疫など全身に影響を与えることが知られてきた。本研究の目的は、運動が腸内細菌叢を変化させることに着目し、脱トレーニングや運動の再開による腸内細菌叢の変化がもたらす生理学的作用を解明することを目指す。 今年度は、実験条件を絞りこむために食餌及び運動による腸内細菌叢の菌叢解析とKEGG pathwayの予測を次世代シークエンサーの結果によって行った。運動においては、おおよそ4か月程度の自発運動で腸内細菌叢の変化が生じることが認められた。しかし普通食の場合では、体重変化等に影響は認められなかった。食餌(繊維食)では実験開始すぐに体重変化が認められたものの、腸内細菌叢自体に大きな変化は認められなかった。一方で、繊維食下でも腸内細菌叢に対する運動の影響は標準食と同様の傾向が認められた。 これらのことから、運動で腸内細菌叢は変化するものの、これまでに用いた繊維食は大きく腸内細菌叢に影響しないことが明らかになった。これらのことから運動による影響を見極めるにあたって、これまでに用いた繊維食の使用が望ましいことが示唆された。一方で、それらの腸内細菌叢が生体にとってどのような影響を与えているかについては明らかではない。普通食及び繊維食で増加したLactobacilus属は解糖系/糖新生及びピルビン酸代謝と正の相関関係が認められた。よって、Lactobacilus属の増加によるエネルギー代謝の変化が生じている可能性が高いため、エネルギー代謝に関するマーカー(肝臓、筋における遺伝子発現)も検討すべき課題であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、動物実験の実施場所の都合によって計画当初の予定通りに進まなかった。また予算においても申請額よりも減額されていたため、計画と同様の内容の実施が難しく、動物実験自体を次年度にまとめて実施することで予算や場所の都合をつけることとした。そのため、今年度は実験条件の再確認し、実験手法・解析方法を見直すことに注視した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は今年度実施できなかった「脱トレーニングによる腸内細菌叢の変動についての検討」を実施する。動物実験の実施場所については予算・場所ともに目途が付いたため、できるだけ速やかに実行したい。また、その後は当初より計画にあった「運動再開による腸内細菌叢に与える影響についての検討」を急ぎたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、連携研究者の雇用形態の変更と動物実験実施場所の都合により今年度の実施が難しくなったため、次年度まとめて計画当初の実験を実施することとした。 そのため、今年度は予備実験のための解析費用として消耗品を購入し、残りの多くを次年度の実施費用としてあてることとする。
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Research Products
(1 results)