2018 Fiscal Year Research-status Report
ADHDの親子中間表現型(認知,脳画像)の特定及び子への行動特性移行に関する研究
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17K01891
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
原田 妙子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (60525963)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達 / 認知 / ADHD / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder,ADHD)を有する児及びその親の両方に、近赤外光脳機能イメージング装置(NIRS)による脳機能画像データと複合ルール課題を中心とした神経心理学的指標(課題の正答率と反応時間)を測定し、ADHDに特有な遺伝的形質と捉えられる「中間表現型」を明らかにすることに加え、親の中間表現型あるいはADHD的行動特性(症状)が子のADHD的問題行動(症状)に与える影響について検討する。現在、ADHDの病態に関連が想定される複合処理能力を評価する課題(複合的ルールマネージメント課題)を作成(Haradaら、SciRepo,2018)し、子どもで複合的な認知処理が可能となる時期を明らかにした。 これに加え、健常成人を対象として本課題の脳機能評価をNIRSを用いて実施し、両側の運動前野、腹外側前頭前皮質、背外側前頭皮質、吻外側前頭皮質を含む広域的な脳活動の関連が認められた。この結果は、fNIRS2018にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもの認知発達を評価できる課題を作成し、その結果を明らかにすることができた。また、この課題を用いて成人の脳機能の評価はすでに終了している。子どもの脳機能の計測のためのヘルメットの調節なども終了し、今後は、小児のデータを採集し、結果を検討していくだけとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで、課題と健常成人の脳機能評価をNIRSを用いて実施し、結果を得た。今後は、子どもで特徴的に賦活する領域を検討するために、小児のデータをさらに採集し、成人データとの比較検討を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
脳機能計測は、本年度に購入を予定していた携帯型近赤外線組織酸素モニタPocketNIRSを使用して実施する計画であったが、外部から多チャンネル近赤外装置を借りて測定可能となったため、購入する必要がなくなった。今後は、その費用を使用して、さらに多くの被験者のリクルートが可能となったことから、被験者の謝金および測定に必用な備品購入などに充てる。
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Research Products
(2 results)