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2017 Fiscal Year Research-status Report

地域貢献としての「子ども食堂」の意義と役割

Research Project

Project/Area Number 17K01906
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

齋藤 美保子  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (20551708)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords子ども食堂 / 子どもの貧困 / ボランティア / 地域貢献 / コミュニティ / 食育
Outline of Annual Research Achievements

研究者が実際に「子ども食堂」を運営しているところは全くない。したがって、これについての学術的な研究はされていないのが現状である。よって、これまでの内容を整理し、地域貢献としての「子ども食堂」のあり方を提案するうえで意義がある。2017年では、このような目的から、「広がれ、こども食堂の輪!inかごしま」の内閣府の運動に参加し、共同代表として・講演会・シンポジュウムを開催した。その結果、講演会は約300名もの参加があり、各子ども食堂でのポスターセッションを要請し、好評のうちに終了することができた。
子どもの貧困対策の一つとして、地域住民による「子ども食堂」が鹿児島では10店舗から31店舗と3倍化した。これらの子ども食堂と支援・情報を共有し、子ども食堂の運営・実践が行われ、講演会・シンポジュウム後にも会議と講演会を行うことができた。また、それに伴うチラシ・ポスターの発行もでき、地域住民からの問い合わせや、子ども食堂の食育としての利用も増加している。
その間、子ども食堂への社会的期待に対する意識調査を講演会・教職員などに行うことができた。これらの成果以外には、ボランティアの意識調査の分析・まとめに関して『森の玉里子ども食堂奮闘記』の自主出版をはじめ、『子どもが育つ環境 ―ネット社会・睡眠・家族の視点から―』(仮)を夏ごろに共著出版する予定である。
また、鹿児島における「子ども食堂ネットワーク」の創設が行われ、県内の子ども食堂の実践・情報の共有も出来つつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

子ども食堂への社会的期待に対する意識調査を行うことができた(対象350人を対象とし、調査用紙を配布し、187人から回答を得た(回収率53.4%))。その結果、「子ども食堂」についての認知は176人(94.1%)であり、「知らない」と答えた人は5人(2.7%)たらずであった。「支援することはよいこと」に対して全体で96.8%にもなった。これらの結果を自主出版と学術論文にまとめることができている。
このように、子ども食堂への社会的期待に関しては、概ね好感を持っていると考えられることがわかった。逆に子ども食堂の設置に関しては否定的な考えはほとんどなかった。このような背景のもとに、現在鹿児島県では10店舗から31店舗の子ども食堂が開店するに至っており、九州県内では一番店舗数が多い結果となっている。このことからして、学術的にも社会教育・食育実践としての子ども食堂研究は進んでいる。
ただ、実践をしている上で、子ども食堂の運営に関して、「食育」の部分に課題が見えており、調査項目に食事内容などの項目を入れる必要があると認識した。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度以降は、①地域のニーズとしての実践 ②子ども支援としての「子ども食堂」③ボランティアの役割という視点から理論研究を進め、かつ、引き続き「子ども食堂」の実践を行う。子ども食堂の「食育」については今後の課題とし、例えば「こ食」対応としての子ども食堂の認知の仕方、安心・安全な食事内容の在り方にも着目していきたい。
また、「貧困」概念の整理をはじめ、今後の子どもの支援のあり方や「貧困」そのものの概念を検討する。その際、ネットワーク(保護者・社会福祉協議会・フードバンク・他支援団体等との連携)をどのようにするかの方法論が大きな課題である。この課題は、情報活用と定期的な会議等を設定し、連携を呼びかけるなどネットワークの在り方も重要である。

Causes of Carryover

「子ども食堂」の数が増えたことに伴い、当初計画していた調査項目・調査対象が増え、調査が遅れたため、データ整理まで実施することができなかった。平成30年度に調査を完了し、データ整理等の人件費として使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Book (1 results)

  • [Book] 森の玉里子ども食堂奮闘記2017

    • Author(s)
      齋藤美保子
    • Total Pages
      153
    • Publisher
      南日本出版
    • ISBN
      978-4-944095-14-8

URL: 

Published: 2018-12-17  

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