2019 Fiscal Year Research-status Report
保育所における食事援助の質向上を目指す研修ツールの開発:多職種アプローチを通して
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17K01914
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
遠藤 純子 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (00634297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 友紀 武蔵野短期大学, その他部局等, 准教授 (70574903)
池谷 真梨子 和洋女子大学, 家政学部, 助教 (50633129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食事援助 / 保育所 / 研修ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
【質問紙調査の分析】一昨年度実施の栄養士等を対象とした0歳児クラスの食に関する質問紙調査の分析を行った。食に関する悩みでは、食材の大きさ77.0%、食材のかたさ72.3%、食材の種類67.8%が「悩む」とし、ミルクの量74.7%、食事環境71.2%、介助方法66.5%、食具60.8%を「悩まない」と回答した。離乳食に関する研修参加は「一度もない」が25.6%であった。食に関する悩みと経験年数・研修参加との関連では「食材の種類」「味付け」は経験年数との関連が認められ、経験の長い栄養士等は「悩まない」が有意に多い傾向があった。「環境設定」は研修参加との関連が認められ、複数回研修参加経験がある栄養士等は「ときどき悩む」が有意に多い傾向がみられた。調理に関する悩みは経験により解決されるが、「環境設定」といった側面を悩むのは研修参加が契機となることが推察された。職種間の協働に向け、研修参加機会の確保が課題として挙げられる。 【研修ツール作成と検証】前年度までに実施した質問紙調査(保育士・栄養士等対象)・ビデオ観察の分析をもとに研修ツール「食事援助の実際と環境」「調理の実際と配慮」を作成した。「食事援助の実際と環境」では、離乳期の食事援助のポイント、環境構成の配慮を具体的に示した。また質問紙調査で保育士の87%が悩むと回答した「噛まない」への対応について歯科衛生士の解説を加え、現場のニーズに応じた内容とした。さらに、園内の協働が深まるよう各園で取り組み可能な演習を複数盛り込んだ。「調理の実際と配慮」では、発達の特性を踏まえた離乳食の調理プロセスと配慮点を示し、保育者や経験の浅い調理従事者、養成校の学生の理解が深まる内容とした。2園で試行的に研修ツールを用いた園内研修を実施し、事後アンケートや研修前後の環境の変化についての考察から、研修ツール実用に向けての改善点を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研修ツール作成にあたり、想定していたよりも撮影・編集に時間を要したため。その影響で、保育士・栄養士等を対象とした質問紙調査について、予定していた分析全てを完了できず、論文投稿にまで至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度には、研修ツールを使用した園内研修でのフィードバックの分析結果について学会発表する。同時に、保育士・栄養士等を対象とした質問紙調査の分析をすすめ、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた学会発表が新型コロナウイルスの影響で中止となり、未使用分の旅費が生じた。また、質問紙調査の分析が遅れ、論文投稿ができなかったため論文投稿費を使用できなかった。次年度では、質問紙調査の分析謝礼、論文投稿費等に使用する計画である。
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Research Products
(10 results)