2020 Fiscal Year Research-status Report
保育所における食事援助の質向上を目指す研修ツールの開発:多職種アプローチを通して
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17K01914
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
遠藤 純子 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (00634297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 友紀 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 講師 (70574903)
池谷 真梨子 和洋女子大学, 家政学部, 助教 (50633129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食事援助 / 保育所 / 研修ツール / 保育の質の向上 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研修ツールを使用した園内研修の分析】一昨年度までの質問紙調査とビデオ観察分析をもとに作成した研修ツールを用いて試行的に実施した園内研修について分析を行った。 <事後アンケートの分析>事後アンケートの分析により、研修ツールを用いた園内研修を通し「子ども理解と自己の客観視」をもたらすことが推察された。また、「園によるニーズの差異」があることが浮き彫りとなり、食事場面だけにとどまらない保育全体の流れや子どもの姿についても内容に含めることが課題としてみえてきた。研修ツールが各園で自律的に食事援助の質向上に寄与するものとなるために、より具体的な場面解説や演習の具体的手立てを記載した副読本等を検討することも今後の課題である。 <園内研修における発話分析>園内研修における職員の発話分析からは、「現在の食事環境への気づき」「子どもの視点よりも保育者の視点をもって環境を考えていたことへの気づき」「子どもと保育者の感覚との違いの気づき」「子どもの感じ方の多様性に関する気づき」が生じていたことが推察された。研修ツールから引き出される対話における気づきの可能性の一方で、「具体性の中にも乳児保育の本質を内在させ伝えることの難しさ」「保育者中心の視点から子ども中心の視点への転換の難しさ」があることも見出された。研修ツールを用いて実践的な側面を提示しながら、そこに内包される「子どもの主体性の尊重」といった乳児保育を考える基盤となる重要な視点を涵養できるよう、ツールの改良や研修方法の具体的な手立てを検討していくことが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研修ツールを用いた園内研修を試行的に実施し、その分析結果を日本保育学会で発表した。保育士・栄養士等を対象とした質問紙調査については、新型コロナウイルスの影響で分析や論文執筆の時間を確保することができず、論文投稿までに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は最終年度となるため、これまでに実施した調査結果の整理・分析をすすめ、論文投稿を行い、主体性を尊重した食事援助のあり方について提言を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた学会が新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、未使用分の旅費が生じた。また、質問紙調査の分析が大幅に遅れており、分析謝礼・論文投稿に未使用分が生じた。次年度では、質問紙調査の分析謝礼、論文投稿費等に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)