2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児期における腸内細菌叢と体格・体力・運動習慣の相互関係‐4年間の縦断的調査‐
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17K01921
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
小栗 和雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (10387516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 教授 (50422209)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 小児 / 体格 / 体力 / 運動習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研死の目的は、幼児期の腸内細菌叢を縦断的に測定し、幼児期における腸内細菌叢の構成と変化、および個体差を明らかにすること、また体格や体力の測定を同時に行って腸内細菌叢が肥満や痩せ、体力の高低とどのように関係するのかを明らかにすることである。本年度の取り組みは、新たに対象者を収集すること、大規模かつ継続的な検査機関を見つけること、これまでの研究成果の発表であった。 対象者の収集は、研究代表者がこれまでに体力測定等で関わってきた複数の保育園・幼見園に調査を打診した結果、1つの園からの協力が得られることとなった。他方、検査機関については、いくつかの検査機関と交渉しているが、検査費用等の問題から継続検討となっている。 研究成果の発表としては、別に示すように研究雑誌「教育医学」において、論文「小児における肥満やメタボリックシンドロームの要因を「はかる」~ 肥満関連遺伝子と腸内細菌からのアプローチ ~」を発表した。主な内容を下に示す。幼児42名(男児21名、女児21名)に対して腸内細菌叢と体格の評価を行った結果、肥満児6名と非肥満児36名に分類され、肥満児ではバクテロイデス門(22.8%)の占有率が有意に低く、ファーミキューテス門(69.9%)の占有率が有意に高いことが示された。また、この結果、これまでに成人等で肥満と密接な関連が示唆されてきたファーミキューテス門とバクテロイデス門の比率は肥満児において有意に高いことが示された。 これらの結果から、生後4~6年しか経ていない幼児において腸内細菌叢が肥満に影響を及ぼすことが明らかとなったことは極めて興味深い。ヒトは母体の胎内にあるときは完全無菌の環境で過ごし、出生後に腸内細菌が増殖する。本研究の結果から、生後4年から6年という短い期間であっても、食事や運動,睡眠などの生活習慣によって肥満につながる腸内細菌叢が形成されることがうかがえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の取り組みは、新たに対象者を収集すること、大規模かつ継続的な検査機関を見つけること、これまでの研究成果の発表であった。新たな対象者を収集する目途が立ったこと、研究成果を論文として発表することができたことから、概ね順調に進展していると捉えている。他方、より大規模な検査を行うために、新たな検査機関が必要と考えられ、探索していることが次年度の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、幼児期の腸内細菌叢を縦断的に測定し、幼見期における腸内細菌叢の構成と変化、および個体差を明らかにすること、また体格や体力の測定を同特に行って腸内細菌叢が肥満や痩せ、体力の高低とどのように関係するのかを明らかにすることである。したがって、今年度に検査対象となった幼児を対象に来年度以降も継続して調査を行っていく予定である。また、体格・体力との関遮性について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度の検査を一部実施することができなかったこと、また検査を行った際の試薬費や検査費を年度内に支払うことができず、その支払いが次年度となったため。
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