2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K01924
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮口 幸治 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20706676)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 直己 三重大学, 教育学部, 教授 (20452518)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 認知トレーニング / コグトレ |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は「児童・生徒の認知特性のアセスメント」を実施した。 小学校・中学校において学習上に困難さを抱える児童の中には、見る、聞く、想像するといった認知機能の弱さがその原因となっている場合が考えられる。効果的な認知機能強化のためのプログラム策定にあたり、まず一般学校児童の認知特性を学年別に調査し、それがどう学習上の課題と関係しているかを明らかにする必要がある。ただそれら認知機能面のアセスメントには従来の各種知能検査等では膨大な時間と費用を要し困難であること、またそれが学習にどう関係しているのかが分かり難いなど問題がある。 そこで約800枚のワークシートからなるCOGETのうち選出した認知課題と集団で実施可能な神経心理学的検査を併用し、児童の認知特性のアセスメントを行った。対象校は、大阪府内のA小学校、B中学校(2校)、三重県内のC中学校(1校)の計3校とした。 COGETは、「覚える」「写す」「見つける」「数える」「想像する」の5つの構成からなり、それぞれワークシート自体をアセスメントの評価シートとして使用した。 これら以外に集団で施行可能な神経心理学的検査(Reyの図の模写、立体図模写など)も併用した。アセスメントは各学校の事情に合わせて週1回5~10分程度、各学校各学年で年間20回程度ワークシート等を使用して実施した。なお学校においてそれぞれの諸事情(学校行事、中学3年生における受験指導など)にも配慮し回数や実施時間を調整した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
児童の認知特性のアセスメントを行う上で対象校を、大阪府内のA小学校、B中学校(2校)、三重県内のC中学校(1校)の計3校とした。当初、中学校はC中学校の1校のみの予定であったが、C中学校で校内での調整がうまくいかず、3学年分のところ1学年しかワークシートの施行を行うことができなかった。そこで予備として協力をお願いしていた大阪府内のB中学校を中学生のデータとして使用することとした。大阪府内のA小学校、B中学校については当初の計画通り、ワークシートの施行を全て終了することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
小・中学校のワークシート解析を進める中で、小学生高学年になると多くの認知課題が一定の正答率になり、その傾向は中学に入っても大きく変わらないことが分かった。そのため小学生において、学年別による各課題の正答率の推移をより重点的に検討する必要がある。 一方で、H29年度は各学年1クラスずつの施行でありサンプル数が少なくクラスの運営状況によって正答率が影響を受けている可能性もある。 そこでH30年度においては施行可能な小学校にワークシートの施行の協力を打診し、正答率の精度をより上げることや、中学校においては個別の認知特性と学業成績との関係を調査していく方向である。
|
Causes of Carryover |
予定していた研究補助の人件費が想定以下であったことから、20,517円次年度使用額が所生じた。次年度使用額が20,517円と少額なため、次年度の成果発表経費等に合わせることとする。
|
Research Products
(3 results)