2018 Fiscal Year Research-status Report
中学生の「関係性を生きる力」を回復するプログラム開発のための基礎的研究
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17K01926
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
畠中 宗一 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (10141855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 直子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (80448349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 関係性を生きる力 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
「関係性を生きる力」をもつことが中学生に健康で安定した生活につながることを実証するために、「関係性のなかでの自立尺度」(中学生版)を使って、徳島県下の中学校3校に通う中学生1,2年生全員を対象に予備調査を行った。配布数611に対して回収数は575で、回収率は94.1%であった。これに加えて、徳島県下の小学校3校に通う5・6年生全数及び徳島県下の高等学校3校に通う高校1,2年生全数の予備調査も行った。小学校は、配布数286に対して回収数275で、回収率は96.1%。高等学校は、配布数1531に対して回収数1499で、回収率は97.9%であった。全体では、配布数2428に対して回収数は2349で、回収率は96.7%であった。 木村直子ら(2008)では、大学生(成人)を対象にした調査を行い、男女別多母集団同時分析による確証的因子分析や、既存の尺度との基準関連妥当性による検討の結果、一定水準の尺度用件を充たした尺度を完成させている。そこでは、「関係性の中での自立」尺度は、「前向きに生きる」「自信を持って生きる」「ほどよい関係を生きる」「自分らしく生きる」の4つの構成概念からなる18項目の尺度であった。本調査では、既存の18項目をそのままに、中学生に回答可能な文章表現になるよう微修正を行い使用した。 探索的因子分析を行ったところ、小学校高学年、中学校、高校のいずれもほぼ同様の因子構造が見られることが分かった。大学生(成人)では4因子であったが、「前向きに生きる」「ほどよい関係を生きる」は、項目もそのままの同一因子で出現し、「自信を持って生きる」「自分らしく生きる」は合体していたため第3因子を「自分らしく自信を持って生きる」とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者と徳島県との信頼関係のなかで、徳島県下での調査が順調に進展したことにより、当初の計画通りに進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
「関係性を生きる力」の回復が中学生等の問題群を解消・解決していくという仮説の実証に取り組む。仮説が実証された場合、知見を具体化する方法を相互討論によって検討する。
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Causes of Carryover |
調査に関わる経費及び相互討論にための旅費等が予想以上に圧縮できたため、次年度以降において研究成果の公開やHP作成費用を考えているため。
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