2018 Fiscal Year Research-status Report
The field survey of animal-rearing at school after the bird flu outbreak and the impact of school animal-rearing on children's psychological development
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17K01927
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
中島 由佳 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (80712835)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学校での動物飼育 / 鳥インフルエンザ後 / 小学校 / 子どもの心理的発達 / 全国調査 / 継続調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国調査: 鳥インフルエンザ後の学校での飼育状況を全国的に調査するため、2018年10月まで全都道府県における架電聞き取り調査を行った。調査項目は、屋外/屋内飼育についての飼育の有無、動物種と数、世話をしている児童、教材としての動物の有無等であった。その結果、屋内・外で動物を飼っている学校、生物を飼っていない学校、屋外飼育を行っている学校、屋内飼育を行っている学校の回答数等が明らかになった。また、全国小学校理科教育研究協議会を通して行った動物飼育を行っている小学校へのアンケート回答590件もデータを整理し終わり、現在分析中。 継続調査: 愛知県、新潟市、西東京市、福岡県、神戸市、奈良市の49校に行った第1回目アンケート調査(2017年12月~2018年3月)のデータ約5,300件を集計・分析。また2018年9月には各小学校に、学年ごとの結果をフィードバックした。2018年12月~2019年2月に、第1回目に調査協力を得た小学校49校に第2回目調査を行った。事前に電話で調査の依頼を行い、各校の状況を鑑みつつ、学年飼育校23校(対象児童約1,700名)、委員会飼育校19校(同約2,500名)、飼育なし校8校(同約1,100名)にアンケートを送付、3月現在47校より回答を得た。 意義および重要性 全国調査は、鳥インフルエンザ発生以後初となる全国規模での調査となる。特に無作為抽出による全都道府県約2,000校への電話調査はわが国の学校動物飼育の現状を明確化しうる貴重なデータとなる。 また継続調査は,「学校での動物飼育が子どもの心理的発達に与える影響」に関する、多地域・大規模研究となった。第1回目に続き第2回目調査を実施し得たことで、飼育をしている児童、飼育はしていないが学校に動物がいる児童、飼育動物がいない学校の児童を高学年/低学年別を継時的に比較する貴重なデータが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全国調査: 架電による聞き取り調査は、当初平成28年8月より2018年7月までの期間での調査を計画していた。しかし、件数の多さ等により、3ヶ月遅れの2018年10月データ採集が終了した。また、架電調査を補完するために、動物飼育を行っている小学校へのアンケート調査も当初の研究計画より新たに追加して実施したため、さらなる集計・分析作業を要することとなった。ただし、データの集計・分析・取りまとめ・公表は今年度中に終了する予定。 継続調査: 第2回継続調査を平成30年2月より行う予定であったが、学年飼育の終了が平成30年12月であることを受けて、第2回調査を平成30年12月より開始した。また、第2回調査の回答は平成30年度内に回収し終える予定であったが、一部の小学校で諸般の事情により回答が遅れ、最終的にすべての回答が得られたのは平成31年4月であった。飼育終了後における動物飼育の心理的効果を測定するためには第2回調査から数か月の経過が必要であること、調査対象となる小学校の都合等を勘案し、第3回調査を平成31年9月に現在予定している。また、調査対象の小学生人数を当初、約1,000名と想定していたが、多くの小学校より協力をいただいた結果、想定の5倍以上の約5,300名より協力を得ることとなった。このため、データの入力・分析、各校へのフィードバックにも想定以上の時間を必要としている。
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Strategy for Future Research Activity |
全国調査: 架電調査および動物飼育を行っている小学校へのアンケート調査のデータ集計、分析を行う。分析結果を取りまとめて、平成31年9月に行われる全国学校飼育動物研究大会等にてその概要を報告する。 継続調査: 第2回調査のデータ入力作業は平成31年5月中に完了する予定。分析を行うとともに、各校への第2回フィードバックを7月までに行う。また、第3回調査を平成31年9月に行い、年内にデータの回収・入力、各校への第3回フィードバックを行う。調査に使用した尺度に関する論文の執筆・投稿、計3回の継続調査の継時データの分析・公表を年度内に予定している。
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Causes of Carryover |
使用額の超過を防ぐため、旅費を縮小してメール会議等を多用したため、次年度使用額が生じた。 次年度のデータ入力作業等に一定の金額が生じることが予想されるため、謝金・人件費に充てることとする。
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