2017 Fiscal Year Research-status Report
音楽胎教及び生後1年間音楽体験をした子どもの発達の特徴的傾向
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17K01933
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare、Junior College |
Principal Investigator |
本野 洋子 東京福祉大学短期大学部, こども学科, 講師 (90784934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 弘 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (30141732)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音楽胎教 / KIDS乳幼児発達スケール / 胎動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究協力者の産婦人科において看護師長が亡くなるという不幸があり、予定していた音楽胎教教室が開設できず、1年間の延期を余儀なくされた。そこで、その間を利用して本研究の予備研究を行うこととした。すでに音楽胎教についての調査研究を行っていた分担研究者である岡村の未整理の研究資料の中から、岡村他と共に胎動に関する資料を分析し国際幼児教育学会第38回大会において発表した。さらに音楽胎教を行った4歳児の発達について日本音楽教育学会第48回大会において発表した。 『音楽胎教時における胎動について』では、『母親の生の歌声を聴いているときは、CDを聴いているときに比べて変化なしが20%以上多い一方、静⇒動は5%くらい少ない。また動⇒静も母親の生の歌声のほうが若干多い。このことは、胎児は母親の歌う声では胎動が少ないあるいは少なくなることを示している。例えば、成人では心地よい安静状態になるとα波が出ているといわれているが、胎児にも同じように心地よい状態の時にはそのような状態になっているのではないかと考えられる。』という結果となった。 また、『音楽胎教をした4歳児の発達について―KIDS乳幼児発達スケールの結果からー』では、『4年間では1歳までの発達が早く、1歳から2歳では一旦発達の伸びが緩やかになる。そして、2歳から3歳にかけて急速に発達する(岡村・本野・高木、2016)。しかしその後3歳から4歳にかけてKIDS乳幼児発達スケールの測定結果では平均的な4歳児の発達指数に近づいていく。』という結果となった。 『音楽胎動』の結果は、今後使用する音源の選択に重要な示唆を与えるものであり、『4歳児の発達』に関しては、生後1年間胎教と同じ音楽環境に置いた新生児が4歳になった時にどのような発達をするか、比較対象の資料として重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記の 通り、研究協力者である産婦人科の看護師長が亡くなり、産婦人科の中での協力体制が構築できなかったため、音楽胎教教室開設が1年間遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに30年度4月より産婦人科医院において、研究協力をお願いしており、音楽胎教教室を開設し、音楽胎教の進め方について実践を通じて練習する。そして、音楽胎教を行った新生児について生後1か月程度経過したのち、NIRS(近赤外光脳機能測定装置)による脳内神経活動を測定すると同時に、母親にアンケート調査を行い、新生児の状況を把握する。
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Causes of Carryover |
前述のとおり研究協力先の産婦人科看護師長が亡くなり、音楽胎教教室開催が余儀なく延期されたため。平成29年度実施予定だった音楽胎教教室を開催するための交通費等実費、脳内神経活動を測定するためのNIRS(近赤外光脳機能測定装置)の購入、アンケート調査協力者の母親への謝礼に使用予定。
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Research Products
(2 results)