2022 Fiscal Year Research-status Report
音楽胎教及び生後1年間音楽体験をした子どもの発達の特徴的傾向
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17K01933
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare、Junior College |
Principal Investigator |
本野 洋子 東京福祉大学短期大学部, こども学科, 准教授 (90784934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 弘 東京福祉大学, 保育児童学部, 教授 (30141732) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音楽胎教 / KIDS乳幼児発達スケール / NIRS脳神経活動測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年間の準備期間を経て音楽胎教教室を2018年5月より2019年3月まで開催し、胎教教室参加者の中より研究協力者の妊婦を50名集め、その協力者には以下を依頼した。 ①妊娠時の音楽活動についての質問紙調査のへの記入を依頼する。②母親にオルゴールを貸与しできるだけ毎日聴取しその活動時の記録についても記入を依頼する。③出産後は1か月程度を目安に自宅を訪問し、赤ちゃんへのNIRS測定を実施する。④出産後も意識的に赤ちゃんとオルゴールを聴いてもらいその活動記録への記入を依頼する。⑤出産後半年を目安に発達に関する質問紙調査と「KIDS乳幼児発達スケール」への記入を依頼する。そしてその質問紙調査と「KIDS乳幼児発達スケール」への記入をその後も継続して、⑥2019年度に生後1年経過した母親に、⑦2020年度は生後2年経過した母親に、⑧2021年度は生後3年経過した母親に、⑨当該年度は生後4年が経過した母親に記入を依頼し、結果を集計した。 しかし、子供へのNIRS測定については、コロナ禍による影響が長期化して、3年間研究協力者宅への訪問および子供への接触が困難となり、さらには当該年度は本研究者自身もコロナに罹患し一定期間療養者施設にて療養していたことから研究が中断し、当該年度も前年同様NIRS測定が一件も実施できなかった。それでも質問紙調査および発達スケールへの記入依頼は継続し、約半数の回答があった。その調査結果を5月に日本保育学会第75回大会において「音楽胎教及び新生児への音楽活動に対する母親の関わりと生後3年の発達の効果」を口頭発表した(Web開催)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述のとおり、研究協力者の母親は50名であるが、年々協力者からの回答の返信は減少しており、2023年4月現在約半数の集計ができたところである。研究対象児が4歳となり、母親の仕事復帰や弟妹の誕生、コロナ禍による家庭環境の変化など理由はさまざまであると考えられる。 またNIRSによる測定は、前頭前野の血流量を測定するため、対象児が慣れている環境が望ましいため自宅に訪問して、対象児の額に研究者が直接ブローブを手に持って当てるというものであり、昨今のコロナ禍にあっては測定そのものによる濃厚接触が避けられない。そのため、研究協力者の家庭に訪問することすらできず、この3年間はNIRSによる測定が実施できない状況が続いている。そして、まだこのコロナ禍の影響は終息がみえず、新型コロナ感染症が5類移行となっても直ちにNIRSによる測定が再開できるとは考え難い。当然ながらコロナ禍においても対象児は成長していくため、対象児への測定をどこかで実施できないか模索しており、研究期間も延長中である。次年度は何らかの方法で母親の協力が得られれば測定を再開したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
音楽胎教教室において研究協力を依頼した母親には、出産後も子供にオルゴールを聴かせてもらい、その活動記録の記入を依頼してきた。その後対象者に順次出産後、半年経過後、生後1年後のタイミングで継続調査し、生後1年時の調査協力者には生後2年時に、生後2年時の調査協力者は生後3年時にそれぞれ発達に関する質問紙調査と「KIDS乳幼児発達スケール」についての記入を依頼し追跡調査を実施し結果を集計してきた。 さらに、生後1か月をめどにNIRSによる前頭前野の血流量測定を行った後、3年後に測定を計画していたが、前述の通りコロナ禍の影響により測定が中断しているため、本来なら2021年度をもって終了の本研究を1年延長し、NIRS測定の機会をうかがっていた。が、当該年度も未だ再開見通しが立っておらず実施できなかった。しかし質問紙、発達スケールによる調査を当初生後3年までとしていたものを、今年度研究を1年延長したことに伴い生後4年まで実施できたため、その結果も含めて本研究のまとめを次年度も延長して実施したい。そして、NIRSによる測定が可能であるならば実施し、その測定結果と、質問紙、発達スケールによる生後4年の結果も加え本研究と、岡村の基盤研究C「音楽胎教が乳・幼児期の心身の発達に及ぼす影響についての研究(2014~2018)」の研究結果との比較検討も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響によりNIRS測定が3年間実施できていないが、新型コロナ感染症が5類へ移行することを鑑み、次年度に測定可能な研究対象児がいた場合、対象児の家庭への訪問を予定している。その際の交通費を計上したい。
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Research Products
(1 results)