2019 Fiscal Year Research-status Report
幼稚園・保育所におけるインフルエンザを代表とする冬季感染症予防対策
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17K01935
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 哲 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80321438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 美音 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20581812)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幼稚園 / 保育所 / アンケート / インフルエンザ / 環境調整 / 温度 / 湿度 / 加湿 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、温暖地である九州北部を対象にアンケート調査と実測調査を実施した。 郵送アンケート調査は、2019年10月に実施し、福岡、大分、長崎、佐賀県内に立地する幼稚園・保育園・こども園の全1,347園を対象とし、564園(41.9%)からの有効回答を得た。実測調査は、アンケートの回答が得られた施設から、19園に依頼し、各園の保育室3~4室を選択し温湿度測定及びCO2濃度の測定(1室のみ)を行った。測定期間は冬季2か月間(2020年1月~2月末)とした。 アンケート結果より、室内におけるインフルエンザ対策では、これまでに調査を行った他地域と同様に、まず手洗い・うがいの実施が最も多く挙げられ、続いて換気の実施が挙げられた。換気の方法としては、窓開け換気を重視する傾向がみられ、換気と加湿では、換気を重視する傾向が強くみられた。これは、東北地方とは大きく異なる結果となり、外気候の差によるものと推察された。暖房設備では、エアコンが中心であるものの、床暖房を併用する園が増えている傾向がみられた。また換気設備では、全熱交換器を有する施設は少なかった。 実測データについては、昨年度調査(2019年1月~2月)した18園について分析を行った。特に北東北地方8園と九州南部地方10園を比較した場合、室内環境に相違がみられた。うち1つは温度環境であり、全体的に九州南部の方が低かった。九州南部では東北地方に比べて外気温がそれほど低くならず、積雪も少ないために、換気を促進する影響が考えられた。その影響もあってか、二酸化炭素濃度についても、北東北地方の室内の方が高い傾向がみられている。外気の絶対湿度は九州南部に比べて北東北地方の方が大幅に低いものの、室内絶対湿度では九州南部の方がやや低い傾向となった。これより、水蒸気発生量の多さに関わらず換気の実施が絶対湿度の低下に影響すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、アンケート回収数および実測調査園の確保が行えている。収集したデータの分析も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年1~2月に行った実測調査において、新型コロナ感染症の影響がどの程度あったかを見極めながら、これまでの3年間で行った東北・九州地方のアンケート・実測調査の結果をまとめ、乳幼児施設において感染症予防対策上、室内環境において、どのような点に留意していく必要があるかを、地域特性も加味しながらまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
冬季調査(3月上旬までの装置設置)の回収がコロナ感染症の影響で次年度にずれこんだため。
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