2019 Fiscal Year Research-status Report
Experimental Investigation of structural protein dynamics for metalloenzyme functions
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17K01947
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松尾 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50432521)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 金属酵素 / サブチリシン / 金属配位 / 補助配位子 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属含有酵素の機能の発揮箇所である中心金属イオン部分の反応性が、生体高分子全体の構造柔軟性とカップルしているという知見から、1)人工金属酵素の反応性制御が構造柔軟性によって可能であること 2)構造柔軟性効果が金属配位部位に伝搬する経路の解明を行うために、大腸菌によるサブチリシンカールスバーグの発現系の構築を試みた。分子シャペロンとして機能するプロドメインを有する全長チオールサブチリシンをコードするプラスミドを調製し、Ser221Cys変異による自己活性化への影響を検討した。その結果、サブチリシンの活性部位の変異によって、自己活性化速度は著しく低下するが、最終的にはプロドメインの切断が起こった成熟型サブチリシンが生成することが明らかとなった。しかし、成熟型タンパクの収率は30%程度であり、また、CDスペクトルによる二次構造への影響を検討し、化学修飾によって調製したタンパク質と比較としたところ、部分的な変性が見られ、自己活性化およびその後の精製方法の検討が必要なことが示唆された。生成した成熟型タンパク質はCu(II)やZn(II)などの遷移金属を結合する能力をがあることをICP-MSによって確認し、これまでの研究の知見と総合させて、生体高分子全体の構造柔軟性制御によって反応性を変化させることのできる人工金属酵素の構築において、サブチリシンがフレームワークとなるモデルタンパク質として有効であることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
構造柔軟性効果が伝搬経路解明に必要な変異体構築に必要な人工遺伝子の入手が、新型コロナウィルス感染拡大に伴う発注先の操業停止に伴い困難となったため、変異体構築が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長手続きをすでに行い、発注先の操業が再開されたので、入手次第、変異体発現系の構築およびタンパク質調製を行い、変異位置による構造柔軟性効果への影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大に伴う実験材料の入手困難が生じたため、次年度使用額が生じた。実験材料の入手次第、変異体発現系の構築およびタンパク質調製を行い、変異位置による構造柔軟性効果への影響を明らかにする。
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Research Products
(8 results)