2018 Fiscal Year Research-status Report
エラスチン架橋構造の解明とdesmosine類の抗原・抗体調製
Project/Area Number |
17K01953
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
臼杵 豊展 上智大学, 理工学部, 准教授 (50514535)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エラスチン / 環状ペプチド / desmosine |
Outline of Annual Research Achievements |
肺胞や皮膚、血管などの弾性・伸縮性に寄与する弾性線維エラスチンは、デスモシンやイソデスモシンを中心とする架橋構造をもつが、その周辺の三次元構造は未解明である。我々は、クロスカップリング反応およびChichibabinピリジン合成にもとづく有機合成化学的手法により、エラスチン架橋アミノ酸デスモシン類の最初の全合成を達成した。 本研究では、確立した合成法を基盤として、これまでの研究で推定されているエラスチン架橋部位の環状ペプチド型デスモシン類の合成と、エラスチン架橋構造の同定、およびデスモシン類の抗原・抗体調製を目的とする。 当該年度は、牛由来のエラスチンを加水分解処理した試料の同位体希釈LC-MS/MS分析を遂行し、天然由来試料中に確実にデスモシンが含有していることを確認した。また、前年度までに完成した合成環状ペプチド型デスモシンのLC-MS/MS分析(ESI(電子スプレーイオン化)およびQ/Q)を行なったが、デスモシンそのものにカチオンがチャージされていることなどから、分析が困難であることが判明した。そこで、質量分析装置としてMALDI(マトリックス支援型レーザー脱離イオン化)-TOF-MS(TOF/TOF)を用いたところ、環状ペプチドのフラグメンテーションに相当するピークを観測することができた。今後、これらを詳細に解析することにより、デスモシン周辺のエラスチン架橋構造の解明を推進する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたフラグメンテーション分析を行えたから。
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Strategy for Future Research Activity |
環状ペプチド型desmosine化合物の抗体作製のためにKLHおよびBSAなどのキャリアタンパク質とのコンジュゲートを調製する。
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Causes of Carryover |
理由:当初計画していた今年度の研究において、次年度に購入可能な消耗品(合成反応試薬など)があると判断したため。
使用計画:前年度から繰り越した余剰額で、合成反応試薬ほかを購入予定である。
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Research Products
(39 results)
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[Presentation] Synthetic Study toward Cyaropicrin2018
Author(s)
Temma Nakamura, Kougaku Kimura, Dinda B. Pitna, Shoya Yamaguchi, Tomoya Uchiyama, Toyonobu Usuki
Organizer
The 14th International Kyoto Conference on New Aspects of Organic Chemistry (IKCOC-14)
Int'l Joint Research
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