2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell-permeable oligonucleotides bearing bio-cleavable protecting groups
Project/Area Number |
17K01966
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
實吉 尚郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10564784)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞膜透過性 / 細胞内化学反応 / プロドラッグ / 徐放性 / 発蛍光色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞膜透過能を有する合成核酸の開発を目指すものである。すなわち、核酸分子自体に細胞膜透過性を有機化学的に付与し、細胞内導入を劇的に簡便にする。細胞膜透過後は、適切なトリガーの作用で保護基が除去され活性を示す合成核酸の創製を目指している。本年度は、(1)モデル核酸医薬のプロドラッグ化研究(2)細胞膜透過性の評価に資する蛍光標識試薬の開発を行った。(1)モデル核酸医薬のプロドラッグ化研究では、これまでに開発していたジスルフィド結合を持つ保護基を非開裂性の炭素-炭素結合に置換した保護基を合成し、細胞内への取り込みと活性発現に対する影響を比較検討した。各保護基を結合したオリゴヌクレオチドを合成し、細胞内取り込みを検討したところ、ジスルフィド結合と炭素-炭素結合の違いによる取り込み量に大きな差は観測されなかった。詳細な検討が必要と思われるが、現時点では、細胞内取り込みに対する原動力は、負電荷を減らしたことによる合成核酸の脂溶性の向上によるものと考えている。次に保護基が結合したモデル核酸医薬の細胞内機能を検討した。昨年度は、2'-置換RNAを基盤構造として保護基を結合し評価を行った。本年度は、天然型RNAを基盤構造として、より高活性な分子へと変換されるか検討した。また、非開裂性の保護基を結合したモデル核酸医薬も併せて合成し、細胞内での脱保護が活性のトリガーになっているか検討した。天然型構造を増やすと、活性は向上したが細胞膜透過性は大きく低下した。非開裂性の保護基が結合している場合、活性は大きく低下することがわかった。(2)細胞膜透過性の評価に資する蛍光標識法では、発蛍光色素が結合したオリゴヌクレオチドを設計、合成し細胞実験を行った。標識体は細胞内へ取り込まれると、保護基が除去され蛍光を発することがわかった。本標識法は、細胞膜透過性の簡便な評価ツールとして期待される。
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