2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of the syntax-related network dysfunction on language function
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17K01978
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
金野 竜太 昭和大学, 医学部, 講師 (70439397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 言語 / 大脳皮質 / SBM |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、神経膠腫により惹起される皮質構造の変化を可視化することを目標とした。具体的には、大脳皮質厚と皮質構造の複雑さがどのように変化するのかSBM法により計測した。皮質構造の複雑さは、フラクタル次元を局所脳構造に適応して調べた。 その結果、健常者と比較して、神経膠腫を有する患者の脳では、皮質厚が菲薄化しつつ皮質構造は障害される脳領域と、皮質厚は保たれつつ皮質構造が障害される脳領域の2タイプの変化が認められた。また、皮質厚が菲薄化しつつ皮質構造は障害される脳領域が全脳に及ぶのに対して、皮質厚は保たれつつ皮質構造が障害される脳領域の変化は腫瘍辺縁部に強く認められた。 以上の結果から、皮質厚が菲薄化しつつ皮質構造は障害されるというの変化は、神経膠腫により、周囲の組織が圧排された影響を反映していると推測された。一方、皮質厚は保たれつつ皮質構造が障害されるという変化は、神経膠腫が周囲の脳組織に浸潤性に発育したため、皮質厚の変化なく、皮質構造が複雑になったことが推測された。この結果は、言語の機能再生メカニズムの解明のみならず、神経膠腫の画像診断においても有用な知見と考えられる。 また、神経膠腫による脳領域間の機能的結合性の変化について、functional MRIを用いた検討を行った。その結果、神経膠腫の存在により統語処理の脳内ネットワークの機能的結合性が変化し、その変化は統語処理負荷の変化に依存することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)