2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Brain-Machine Interface for repetitive use over a long period
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17K01992
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
森重 健一 富山県立大学, 工学部, 講師 (30433197)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳波 / 視覚的注意 / ブレインマシンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、被験者が様々な方向に視覚的注意を向けているときの脳波データの解析を行なった。ひとつは(1)推定された皮質電流の妥当性を確認することであり、もうひとつは(2)推定された皮質電流からタスクに関連した情報を再構成することである。 (1)視覚的注意を様々な方向に向けている時の脳波およびfMRIデータを7人の被験者から計測した。fMRI活動強度情報を事前知識として用いることで、被験者から計測した脳波データを皮質電流と複数のノイズ電流に変換し、皮質電流のみを取り出した。推定された皮質電流は前頭眼野、補足眼野、頭頂眼野、MT/V5といった視覚的注意および眼球運動に関連した皮質領域で大きな電流が推定された。 (2)もしも推定された皮質電流がタスクに関連した脳活動を反映しているならば、得られた皮質電流から被験者が視覚的注意を向けている方向を再構成できるはずである。そこで、スパース推定を用いて、皮質電流から注意を向けている方向を解読した結果、ある程度再構成することができた。またその再構成に使われた電流源は視覚的注意に関係のある皮質領域が選ばれており、妥当な電流源を用いて視覚的注意の方向の再構成が行われていることがわかった。 ヒトの頭部は電気伝導率の異なる層(脳、髄液、頭蓋骨、頭皮)から構成されているため、MEGでの解析に比べ、脳波を用いた解析はより複雑である。しかし、それらを考慮した精密なモデルを利用することで、研究代表者等がこれまでMEGデータで提案してきた手法を用いて同様に脳情報を再構成できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の目標としていた、視覚的注意を向けている方向を脳波データから推定した皮質電流を用いて再構成する手法ををある程度実現できたため。また、今後の検討に必要な実験データも順調に蓄積できており、平成30年度の研究を遂行するための準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
電極の位置ずれがある脳波データを皮質電流と複数のノイズ電流に変換する。研究代表者等が提案する手法を用いて、得られた皮質電流が位置ずれが無いときと一致することを確認する。さらに、得られた皮質電流から、視覚的注意の方向を再構成し、位置ずれが無いときとも一致することを確認する。
実際に計測した脳波データは、計測日ごとにデータの振幅が異なっていたり、学習によって脳活動が変化したりすることが予想される。それらの影響を明らかにするとともに、長期間にわたって、脳波から脳電流を繰り返し推定し、研究代表者等が提案する方法で脳情報を解読可能にする。
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Causes of Carryover |
(理由)人件費・謝金を大学運営費交付金から支出することができたため、当初想定していたよりも節約でき、次年度使用額が生じた。
(使用計画)新規の被験者に加えて、本年度に参加した被験者が継続して実験に参加するため、次年度は脳波およびfMRI計測実験が増えることになる。そのため、人件費・謝金の支払いも増えることが想定される。次年度使用額を人件費・謝金の支払いに充てる予定である。
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