2017 Fiscal Year Research-status Report
高感度・超高速MRIによる脳の動特性計測及び動的脳機能マップの作製
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17K01993
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
成 烈完 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 准教授 (30358816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 誠二 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 教授 (00358813)
河地 庸介 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 准教授 (20565775)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経活動 / 非線形 / 超高速測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の働きを理解するためには、脳の各部位で、種々のヒトの情報処理機能に対応する機能的活動信号を得る必要がある。従来の機能的MRI(fMRI)による研究の多くはこの点に着目して、ヒト脳機能マップ(静的脳機能マップ)を作成して来ている。近年は高磁場MRIにより、空間的な分解能が向上して来ているが、基本的に、脳の空間的機能特性を計測するという点では変わりはない。しかし、脳は静的なものではなく、絶えず活動している動的なものであり、脳の各部位または部位間の動的な活動に対する情報を得ることは、脳の働きを理解する上で必須不可欠である。本研究では独自に開発した超高速MRI測定法により、脳活動の速い時間的変化を検出し、動的脳機能マップの作成にむけて研究を行っている。本年度は脳波で見る速い神経活動由来の信号源がどのような形としてMRI信号へ顕現するかについて調べた。Multi-echo GE-EPI測定法で視覚刺激による脳活動の計測で、非線形的なfMRI信号を計測した。また、それをTwo-compartment model を使って分析した結果、非線形的な信号変化はプロトン交換時間 の変化による可能性が高いことが分かった。プロトン交換時間は10ミリ秒前後で、このような速い変化により脳波で見る速い神経活動がMRI信号へ顕現される可能性があると考えられた。また、速し神経活動誘発のための5,10、20Hzの刺激を作製して、高速測定法でテスト実験を行った。さらに、速い神経活動を計測する際の測定感度を改善するために表面コイルを作製しテストを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
開発している超高速測定法による速い神経活動を計測するために必要な、速い神経活用誘発用の高速呈示用刺激が作製できた。また、測定感度を向上するために必要なヘッドコイルを作製した。さらに、信号源の推定のために行った実験によるプロトン交換時間の変化が同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した呈示用刺激を使い、θ、α、βなどの誘発神経活動由来のMRI信号を検出する。刺激に同期するsteady-stateな信号とbaseline変化による信号の特性を同定する。また、刺激呈示から賦活までの脳の各部位での信号の潜時を計測する。これらの信号から各部位での脳活動の動的活動の側面を同定して行く。まず、視覚刺激により賦活する脳部位でのfMRI信号の潜時の計測から動的脳機能マップを作製する。
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Causes of Carryover |
刺激の作製、コイルのテストなどを行い、学会発表回数が予定より減った。次年度には今年度作製・テストした刺激とコイルを用いて本実験を行い、その成果を複数の国際学会などで発表する予定である。
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Research Products
(3 results)