2019 Fiscal Year Annual Research Report
Hierarchical representation of visual information in inferior temporal cortex
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17K01995
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内田 豪 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 専門職研究員 (50321732)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 下側頭葉視覚連合野 / 顔 / 分類 / 同定 / 視覚情報表現 / L1正則化ロジスティック回帰 / 機能コラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、サルの下側頭葉視覚連合野(物体の形の視覚的知覚、認識に必須の領野)の機能コラムが物体像の特定(同定)に必要な視覚情報を、機能ドメイン(似た物体像選択性をもつ機能コラムが皮質上で集まって出来た機能構造)が物体像の分類に必要な視覚情報を表現していることを明らかにすることであった。本研究では社会的に重要な顔の分類と、顔による個体の同定に着目した。初年度は、まずサルに提示する1550枚の物体像(顔画像819枚、それ以外731枚)を用意、その後、多数の機能コラムの物体像に対する応答を記録、解析するための準備を行った。翌年度から最終年度にかけて複数のサルから多数の機能コラムの物体像に対する応答を記録した。記録したデータを解析した結果、一頭のサルから一つの機能ドメインが見つかったが、他のサルからは見つからなかった。そこで、着眼点を変えて記録したすべてのコラムについて、顔選好性の強さとL1正則化ロジスティック回帰(本研究では分類、同定に必要なコラムの組み合わせを求めるためにこの手法を用いた)によって得られた重みとの関係を調べた。その結果、分類に関しては顔選好性の強さと重みとの間に相関があった。特に、顔よりも顔以外の物体像により強く応じるコラム(非顔コラム)も負の重みで分類に寄与することが分かった。一方、同定に関しては顔選好性の強さと重みとの間に相関はなかった。特に、非顔コラムも負の重みのみならず正の重みでも同定に寄与することが分かった。従来、顔の視覚情報処理は顔以外の物体像よりも顔により強く応じる細胞(顔細胞)のみで行われていると考えられていた。しかし、これは顔細胞のみを調べて出てきた考えである。本研究の意義は、非顔コラムも調べ、非顔コラムも顔の視覚情報処理に寄与することを示したことにある。
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Research Products
(1 results)