2020 Fiscal Year Research-status Report
アジア知日産業人材を担い手としたネットワーク型開発協力の有効性
Project/Area Number |
17K02006
|
Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
大野 泉 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (20397102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 健一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (40240684)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 知日産業人材 / アジア / 開発協力 / 官民連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は最終年度の予定であったので、研究成果のとりまとめ(報告書作成、書籍編纂)や、成果発信のための活動(ウェビナー、提言とりまとめ等)に重点的に取り組んだ。
具体的には、アジア知日産業人材を動員した産業高度化をめざし、ベトナム事例研究を行ってきたが、国家大学ベトナム経済政策研究所(VEPR)との共同研究により、「ベトナム生産性レポート」ドラフトを作成した。これは複数のベトナムの知日産業人材の取組に焦点をあてて、日越政府が重点課題として位置づけている生産性向上のための提言をとりまとめたものである。当初は現地でフィードバックセミナーを実施予定であったが、コロナ禍のため、本学にて「ベトナムの生産性動向と残された課題」と題する日本人向けのウェビナーを開催した。大野健一よりドラフト報告書の概要紹介と新たな日越産業協力の可能性を論じるとともに、知日研究者であるトラン・バン・トウ早稲田大学名誉教授にべトナム経済の今後の課題について講演いただいた。
さらに、日本語で研究成果のとりまとめにも取り組み、研究代表者が編著者となり、研究分担者や研究協力者が執筆者として参加し、名古屋大学やJICA緒方研究所との連携のもと、書籍『途上国の産業人材育成:SDGs時代の知識と技能』(山田肖子・大野泉編著)を2021年2月に刊行した。 平行して、研究代表者の大野泉は経済産業省による「今後の海外産業人材育成の在り方」勉強会(2020年10月~2021年3月、4回開催)に座長として参加し、本研究から得られた知見をふまえて、ウィズ・ポストコロナ時代におけるアジア知日産業人材とのネットワーク強化に向けた提言を行った。この他にも、研究代表者は国際開発ジャーナル誌への寄稿(英訳発信を含む)や、国連工業開発計画(UNIDO)やアジア生産性機構(APO)等からの招聘をうけて、関連するテーマで講演を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したとおり、「ベトナム生産性レポート」について現地でドラフト報告書をもとにフィードバックセミナー実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外出張を見合わせざるを得なくなった。しかし、GRIPSでのウェビナー開催で日本人向けのセミナーを開催し、また日本語の書籍刊行に取り組むことができたので、全体としては、当初の遅れはほぼ挽回できたように考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による事情をふまえて、1年の期間延長を承認いただいたので、令和3年度を最終年度とし、「ベトナム生産性レポート」については、在越日本大使館やJICAベトナム事務所の協力も得て、ベトナムにおける効果的な成果発信の方法・モダリティを考え実現していく。また、日本語書籍『途上国の産業人材育成』の成果発信にも積極的に取り組んでいく。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のために、研究成果の現地フィードバックを目的して予定していた海外出張の実施を見合わせ、日本国内でウェビナー開催をした。この結果、旅費等の未使用残が生じた。
|