2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regionalism and Nationalism in Contemporary China: Analysis of Competitive Relationships between Local Administrative Divisions
Project/Area Number |
17K02010
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
兼重 努 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80378439)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域主義 / 民族主義 / トン族大歌 / 地方行政区画 / 横の関係 / 競合関係 / 政治的境界 / 民族集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代中国では地方行政区画(省や県など)ごとに地域の文化やアイデンティティを強調する地域主義が存在する。多民族国家であるがゆえ、民族ごとの文化や アイデンティティを強調する民族主義も存立しうる。現代中国では、ひとつの民族集団が複数の地方行政区画に跨って分布するケースが多い。ではその場合、地域主義と民族主義のどちらが優勢なのか? エリート層と一般民衆の間では違いがあるのか? 本研究の目的は、3つの省と10以上の県に跨って住むトン族の事例をもとに、これらの問いに答えることである。 従来、政治的境界と民族集団の関係性の研究において国境の果たす機能が注目されてきた。本研究では、省境や県境のもつ諸機能について明らかにすることにより、政治的境界と民族集団の関係性の研究に新たな領域を開拓する。 本研究では地方行政区画間の競合関係=せめぎあい(「横の関係」と呼ぶ)の分析を新たに俎上にのせる。トン族の場合、民族文化をめぐる地方行政区画の間の競合関係のうち、最も顕著で先鋭的な事例は、トン族大歌(アカペラ音楽)をめぐって発生しており、2省4県がそれに深く関与している。 令和4年度もCOVID-19に伴う渡航制限の影響を受け、①上記2省4県の文化・観光関連部署およびトン族大歌を利用して観光開発を進めている村々を訪問するなど、現地への渡航については全く実行できなかった。そこで、②トン族大歌の観光利用、商標化や国家・世界級の無形文化遺産への登録に伴い、2省4県がそれぞれ発してきた/いる地域主義的な言説および関連する諸施策について(CNKIなどインターネットツールを使って、)新たに資料収集を行い、これまでに収集した文字資料等と併せて分析を行った。
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