2018 Fiscal Year Research-status Report
紀要を見直す―被引用分析を通じた紀要の重要性の実証と紀要発展のための具体的提言
Project/Area Number |
17K02015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
設樂 成実 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00727943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 由美 京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
亀田 尭宙 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (10751993)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 引用文献 / 学術雑誌 / 紀要 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外の学術雑誌10タイトルを分析対象とし、掲載論文(一部研究ノートなども含む)の引用文献より引用されている学術雑誌を抽出しリスト化を進めた。現在7誌のリスト化がおわり確認作業を進めている。残る3誌も作業が進んでいる。 分析対象とする期間は、計画当初は2016~1980年としていたが、2017年度の作業状況を鑑み対象期間を2016~1987年の過去30年間に絞った。また、リスト化の際には引用文献ごとに、言語、自著か他著かの別、掲載から引用までの経年数に関する情報を加えた。現在、情報の追加を検討している。 分析対象誌のうち、『東南アジア―歴史と文化』については、雑誌論文に限らず文献欄に挙げられた文献すべてのリスト化を行った。これは引用文献全体に見る雑誌論文の割合なども検討したいと考えたためである。このリストは他の研究にも応用が可能であり、研究代表者、分担者が参加する他の研究プロジェクトにデータ提供を行った。 この研究の大きな目的は、紀要の重要性を実証することである。しかし、上記の分析データを集める中で、学界をはじめ世間一般での紀要自体の定義はあいまいであり、紀要の現状や全体像の把握が難しいといった問題があることに改めて気づいた。そこで紀要の現状を知る一つの手がかりとして、国立国会図書館による雑誌索引目録のデータを基に紀要の本文の公開の状況と紀要の投稿規定の公開状況の調査を行い、図書館情報学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017~2018年度にかけ、国内外の学術雑誌10タイトルを分析対象とし、掲載論文の引用文献より引用されている学術雑誌を抽出しリスト化を進めた。現在7誌のリスト化がほぼ完成し、残る3誌も作業が進んでいる。2年間の間に10誌のリスト化を完成するのが理想的であったが、各引用文献に言語や自著や他著といった情報を追加しながら作業を行っているため、時間がかからざるを得なかった。この点を鑑み、進度としてはおおむね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、前半にてリストの完成とその分析(学術雑誌全体の引用における紀要の引用状況の遷移や現状の分析など)を行う。後半は、引用分析をもとに抽出した紀要の編集者に、出版をめぐる現状や課題、プレゼンスの向上に向けた取り組みなどについて話を伺う。 2020年度は、これまでの研究成果をまとめ、紀要の発展に向けた提言をまとめ、セミナーなどの形で公表する。
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Causes of Carryover |
データのリスト化および分析を昨年度末から行っているが、年度をまたいでの作業となった部分があり予算が残った。2019年度は、前半に2018年度の残額を用いデータ整理・分析を行い、後半には分析結果をもとに国内外の紀要編集者に聞き取りなどの調査を行う。
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Research Products
(4 results)