2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis on developing processes of rural areas in Northeast Thailand using SAR data
Project/Area Number |
17K02023
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
星川 圭介 富山県立大学, 工学部, 准教授 (20414039)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 合成開口レーダー / 後方散乱係数 / 東北タイ / 天水田 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北タイのコンケン県Namphong郡周辺,およびナコンラーチャシーマー県Buayai郡周辺を対象として,合成開口レーダー後方散乱係数から天水田の湿潤度を推定する手法の検討を進めた. まず,対象2地域の水田地帯において1km四方の100領域をランダムに切り出してSRTM標高とALOS-PALSAR後方散乱係数との相関関係を分析した.その結果,いずれも負の相関が雨期の7月から9月に高まること,HV偏波の方がHH偏波よりも決定係数が大きくなることが明らかになった.負の相関はより低位の水田に湛水面がより広く形成されることによるものであり,HV偏波の決定係数が大きくなったのは,含水率に対する感度が低く,影響を受けにくいためではないかと推測された.同様の傾向は,現地におけるGNSSを用いて測量した詳細な地形との関係においても示された. 次に,現地で広く行われている「窪地水田」と「丘陵水田」への分類を行うべく,2007年から2008年にかけての6時点(Buayai),および8時点(Namphong)の後方散乱係数を入力データとして,教師付き分類と教師無し分類の両方を試みた.その結果,教師付き分類では分類結果が窪地水田か丘陵水田のどちらかに偏る結果となった.現地の村長等からの聞き取りに基づく各種水田の空間分布を学習データとして用いたが,後方散乱係数の時系列変化のパターンを十分に網羅することができなかったとみられる.一方,k-means法を用いたクラスタリングを行ったところ,雨期に後方散乱係数が低下するクラスタと年間を通じて大きく変化しないクラスタが生成された.HV偏波の方がHH偏波に比べてその差は明瞭であった.雨期に低下するクラスタは窪地水田と解釈される.その場合,HH偏波では年間を通じて後方散乱係数が高い箇所で誤分類が発生しがちであった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
天水田の分類結果の検証等を現地において行う必要があるが,新型コロナ感染症が収束しないため実施できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
現地への渡航が可能になり次第,分類結果検証のための現地調査を行う.現地調査が2021年度中も不可能な場合は,分類手法のさらなる検討のために予算をデータの購入などに振り向けることを検討する.
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Causes of Carryover |
2020年度中に現地調査を延期して行う予定であったところ,新型コロナ感染症の世界的な流行が終息せず,再延期を余儀なくされた.2021年度中に現地渡航が可能になれば,現地調査を実施する.また,2021年度内の終息が見込めない場合は,研究計画を一部変更し,データの購入などに予算を振り向けることも視野に入れる.
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