2017 Fiscal Year Research-status Report
"Consultative Democracy" in Contemporary China and Modernization of Governance: Reconstructing the Authoritarian Regime
Project/Area Number |
17K02029
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
江口 伸吾 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (20326408)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 協商民主 / 討議デモクラシー / 国家ガバナンス / 社会関係資本 / 民主懇談 / 権威主義体制 / 郷賢参事会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、本研究の初年度の目的として、当該研究に関連する文献資料を精読し、研究状況の論点を整理することに主眼を置いた。とくに『郷鎮論壇』(民政部)等の中国国内の学術雑誌、The Search for Deliberative Democracy in China (2006)、『現代政治治理技術叢書/協商民主的技術』(2014)、『我們如何具体操作協商民主-複式協商民主決策程序手冊-』(2017)、『協商民主・基層治理操作技術叢書/民主懇談-中国基層協商民主的温嶺実践-』(2017)等の書籍資料、『人民日報』『光明日報』『新華日報』等の新聞資料を収集、精読し、本研究の現在までに至る研究状況を整理した。 また、海外でのヒアリング調査では、北京において、中国の「協商民主」に関する研究者のレクチャーを受け、上記の文献資料から得られた論点を再整理した。とくに、中国における「協商民主」の歴史的展開と国際的動向との連関性、並びに現在の動向に関する意見をうかがった。 さらに平成29年度は、北京大学国際関係学院との学術交流の機会を通して、研究者の国際的ネットワークの構築を進め、平成30年度以降の研究活動の基盤形成に努めた。 以上の研究活動を踏まえて、本研究の成果の一つとして、江口伸吾「現代中国における『協商民主』の展開と国家ガバナンスの再構築-基層社会の『民主懇談』『郷賢参事会』を事例にして-」『北東アジア研究』第29号(島根県立大学北東アジア地域研究センター、2018年3月、53-69頁)を公表した。本論では、浙江省の「民主懇談」「郷賢参事会」を事例としてとりあげ、地方社会で多様なかたちで実施されている「協商民主」が国家ガバナンスに与える政治的、社会的な影響を検討し、基層社会で展開する民主とガバナンスの関係性、協商型権威主義体制の再構成の過程の一端を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、本研究の初年度の目的として、当該研究に関連する文献資料を精読し、研究状況の論点を整理することに主眼を置いた。とくに『郷鎮論壇』(民政部)等の中国国内の学術雑誌、The Search for Deliberative Democracy in China (2006)、『現代政治治理技術叢書/協商民主的技術』(2014)、『我們如何具体操作協商民主-複式協商民主決策程序手冊-』(2017)、『協商民主・基層治理操作技術叢書/民主懇談-中国基層協商民主的温嶺実践-』(2017)等の書籍資料、『人民日報』『光明日報』『新華日報』等の新聞資料を収集、精読し、本研究の現在までに至る研究状況を整理した。 また、平成29年度は、海外でのヒアリング調査を実施するとともに、研究者の国際的ネットワークの構築を図った。当該年度においては、北京大学国際関係学院との学術交流の機会を通して、研究者の国際的ネットワークの構築を進め、平成30年度以降の研究活動の基盤を築いた。 以上の研究活動を踏まえて、本研究の成果の一つとして、江口伸吾「現代中国における『協商民主』の展開と国家ガバナンスの再構築-基層社会の『民主懇談』『郷賢参事会』を事例にして-」『北東アジア研究』第29号(島根県立大学北東アジア地域研究センター、2018年3月、53-69頁)を公表した。 以上の理由から、平成29年度の研究活動は、所期の目的を達成し、おおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、海外でのレクチャーの受講・ヒアリングを行い、その研究成果を公表する。 (1) 平成29年度と同様、『郷鎮論壇』(民政部)、『社区』(民政部)、『改革内参』(国家発展和改革委員会)といった雑誌資料、並びに『人民日報』『文匯報』『新華日報』等の新聞資料、新しく刊行される文献資料を精読し、逐次研究状況を確認する。また、国内での資料収集も継続的に実施する(⇒設備備品費、消耗品費、国内旅費)。 (2) これと並行して、申請者の分析方法を問い直す作業を行う。その際、島根県立大学北東アジア地域研究センター、成蹊大学アジア太平洋研究センターを通して、資料収集、方法論・事例研究に関するヒアリング・ワークショップを開催する(⇒国内旅費)。また、ヒアリングの論議を踏まえて、8~9月にかけて、再度中国でレクチャーの受講とヒアリングを行う。なお、可能であれば、北京市、上海市といった東部沿海地域の実地調査、並びに資料収集を行う(⇒外国旅費、謝金)。 (3) 以上の研究活動を整理し、平成30年度の研究成果を公表する(⇒その他)。
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Research Products
(3 results)