2020 Fiscal Year Research-status Report
The Politics of Textbooks: Russian Textbooks on History and Japanese Language
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17K02030
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
A Dybovski 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 招へい研究員 (70252723)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本語教科書 / 文化的側面 / 異文化能力 / 外国としての日本語 / グローバル時代の教科書 / 日本植民地日本語教育 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者Yu.ミハイロバはロシア人の日本語教育者に向け教科書に関するアンケータ調査結果に基づいて、またロシアと日本で作成された日本語教科書をM.Bayronによる「内容分析方法」を利用し、比較分析した。特にグローバル時代における日本語教科書の文化的要素を調べた。ロシアで作成された日本語の教科書は主に日本文化に注意を払う。日本社会的や文化的価値観、人間の考え方の特徴がどのように形成されているか検証する。それと違って日本で作成された日本語教科書は日本文化を他の文化と並置し、異文化間能力を学生に提供する。後者の方法はグローバル時代にもっと相応しいと結論する。論文「現代日本語教科書における文化的要素について」を刊行し、2つの学会で発表した。 本研究の分担者A.Dybovusukは帝国日本の占領地域における日本語教育の事情及び日本語教科書のイデオロギー性の研究の中で台湾、朝鮮、昭南(シンガポー ル)、マレシア等で使われていた日本語教科書を分析し、その特徴を明らかにした。論文「日本語教材における日本中心主義の思想―1941~1945年のマラヤとシン ガポールの日本占領期の日本語教科書の分析による」『歴史社会教育思想』に刊行した。 極東連邦大学におけるアンケート調査:2018~2019年、極東連邦大学(ロシア)において学生及び卒業生約100人に対し「日本語教育の政治性」についてアンケー ト調査を実施した。その際、日本語教育講座の教員約10人に対し日本語教育の事情についてインタービューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナにより研究期間は延長された。また研究代表者Yu.ミハイロバは膝の手術とのちのリハビリによって数ヶ月間研究を行うことができなかった。日本語教科書の研究は完成されたが、ロシアで作成されている新しい歴史教科書の一部は購入されたが、たくさん資料はインターネットで収集する余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
元々の計画は2010年代ロシア歴史の教科書を収集して、分析することだった。しかし研究延長と代表者の病気とリハビリによって研究はやや遅れていた。この間に日本人の研究者である立石洋子氏は『スターリン時代の記憶 ーーソ連解体後ロシアの歴史認識論争』という図書を刊行した(2020年)。この図書と本研究の意図は一致するところが多い。したがって、まず立石洋子氏の図書にレビューを書く。次にこの図書に触れていない問題と時期(2018-2021)の資料を検証し、論文を執筆し、刊行する。
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Research Products
(5 results)