2018 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical and empirical study of community tourism management
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17K02059
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
国枝 よしみ 大阪成蹊大学, マネジメント学部, 教授 (60465870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 勅之 大阪成蹊短期大学, 観光学科, 教授 (40582995)
小長谷 一之 大阪市立大学, 大学院都市経営研究科, 教授 (50225463)
野村 佳子 摂南大学, 経済学部, 准教授 (60583705)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 最も美しい村 / 地域活性化 / 高齢化 / ブランドマネジメント / 住民 / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
観光地では、環境保護やサービス品質向上が観光客の満足に影響し、ひいては住民生活の質向上に繋がることが先行研究で実証されている。しかし、高齢化の進展や経済基盤の脆弱な地域では、サービス品質、景観の保存、インフラ等、さまざまな課題に直面し観光客の受け入れに困難を伴うのが現状である。中でも目的地の誘客のためには核となる「ブランドマネジメント」は比較的新しい概念で都市や有名観光地の研究は多くみられるが、小規模自治体に関する国内の研究はまだ少ないと思われる。 そこで本年度は、フランスにおける観光を通じた環境保護や地域活性化をめざし成功している「目的地ブランドマネジメント」の事例として「最も美しい村連合」の「ブランドマネジメント」の仕組みに焦点をあて、前年度に行った調査分析を行った。先行研究をとりまとめ、同連合会長、事務局長へのインタビュー、各町村訪問と観光局等への聞き取り調査の結果をまとめ、その結果を日本商業学会関西部会で報告した。2019年度はフランスの事例を論文として発表予定である。また、住民主体の取組事例としてスペインのジローナ市にて住民と行政に聞き取り調査を実施、ジローナ大学観光学部にて同市の観光振興と課題について聞き取り調査も行った。 一方、国内の「最も美しい村連合」加盟の川根本町、吉野町、和束町にてヒアリングを行った。川根本町では大井川鐵道がSLやトーマス号を走らせる努力をしているが、1)定住人口は増えていない。2)交流人口に成果ある。3)村連合への加盟というより、総合的政策を打っていることが大きい、という結果であった。結論として「日本の最も美しい村連合」加盟自治体では、定住人口に効果判定ができないものの総合的観光政策を同時に行い始めているところがある。この結果からフランスと国内の村の状況を比較しながら、今後どのようにすれば国内の村が課題を克服できるのかを考察していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由のひとつは、フランスの最も美しい村連合のメンバーである各村の人口規模が100名~300名と小規模のため、データ収集に時間がかかっていることが挙げられる。2番目としては、分担者の1人が大学を移籍することになり、計画の修正を余儀なくされたことがある。今後は、残りのメンバーで当初の目的を達成するために着実に研究を遂行する所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の「最も美しい村連合」事務局に聞き取り調査を行い、連合の現状や誘客を図るための取組等を聞き取る予定である。また、連合の課題を話し解決方法を議論する。国内の村への調査と現地におけるアウトドア政策やアグリツーリズム、エコツーリズムについても調査と検証を行う。ニューツーリズム的視点から分類し個々の小政策ごとに評価する。高齢者が活躍している村においては、その要因や環境などを行政や住民の視点からヒアリングを行う。 フランスにおいては、村連合全体の人口動向を把握できたことから、人口が減少している地域、増加している地域の背景を行政からヒアリングする。その結果、地域が活性化している背景や環境等を分析する。 以上を行ったうえで、これまでの総括を行い、先行研究導いた仮説の検証を行う。その結果を論文にまとめ学会発表と論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
フランスへの出張費を抑えるために宿泊、航空運賃を当初の見積よりも低く抑えたこと、当初の予定よりも国内出張が実施できなかったこと、論文の執筆が翌年度に亘り、経費が未使用になったことが主な要因である。そのため2019年度は10月末までに国内の出張を終える予定である。 分担者1名が大学移籍となったため、調査結果の分析と論文作成を現在のメンバーで並行して行い12月までに仕上げることとし、2020年度の論文発表を目指す。
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Research Products
(1 results)