2018 Fiscal Year Research-status Report
女性管理職増加の数値目標の検証を通じた女性人材育成と雇用管理に関する実証的研究
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17K02066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
駒川 智子 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (50466439)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジェンダー / 女性管理職 / 数値目標 / 女性活躍推進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、女性活躍推進法にもとづき企業が設定する女性管理職増加に向けた数値目標に焦点を当て、女性人材育成の効果と課題を考察し、性別・年齢・民族等の多様性を活かすダイバーシティ・マネジメントへの転換の道筋を解明することにある。そのため金融機関を対象に女性の管理職登用の進捗状況を分析し、職場レベルでのジェンダー視点の労働過程分析を行うことで、性別雇用管理を基軸とする日本的雇用慣行の変容を明らかにする。この課題に迫るため、平成30年度に実施した研究の成果は下記のとおりである。 1 先行研究のサーベイ:前年度に引き続き、女性管理職の育成に向けた取り組みと課題に関する先行研究を整理した。また関連する学会や研究会に出席し、情報収集を行った。 2 行政機関の調査:行政機関を対象に、企業が女性活躍に取り組むための支援についての調査を実施した。合わせて、女性活躍を推進するにあたり働き方改革がどのような影響を与えうるのか意見交換を行ったうえで、働き方改革に関わる施策について情報を収集した。 3 金融機関の調査:大手金融機関を対象に、女性活躍と働き方改革への取り組みについて調査を実施し、成果を学会で発表した(「正社員と働き方改革」日本フェミニスト経済学会2018年度大会プレシンポジウム、2018年4月8日)(「金融機関にみる働き方改革の展開――正社員におけるジェンダーインパクト」日本フェミニスト経済学会2018年度大会、2018年7月7日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 金融機関調査に向けて、基礎となるデータ等の収集(1先行研究のサーベイ、2行政機関の調査)を行うことができた。また金融機関の調査を実施し、成果を学会シンポジウムで発表することができた。ただし複数の金融機関が、計画どおりに女性活躍が進んでいないことを理由として、調査協力を拒否しており、次年度の調査実施に不安が残った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた研究計画にそくした活動を実施する。とりわけ金融機関での調査をスムーズに実施するため、調査対象となる金融機関を複数確保できるように、これまで以上に努力する。さらに女性管理職育成の取り組みに多角的に迫るため、学会や研究会での情報収集を強化し、理論に反映できるようにする。
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Causes of Carryover |
セミナーに参加する予定で予算に組んでいたが、体調不良で欠席することとなったため、残金が発生した。資料をファイルするための文具用品の購入に充てる予定である。
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