2019 Fiscal Year Annual Research Report
Colonialism Revisited: in the case of creole women
Project/Area Number |
17K02077
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
堀内 真由美 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60449832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脱植民地化 / 旧英領カリブ海諸島 / 西インド連邦 / ポストコロニアル / ジェンダー / ジーン・リース / フィリス・オーフリー / 「ブラック・フェミニズム」 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の第一回目に予定していた2月のドミニカ調査には、図書館や公文書館など主要な調査訪問場所が、ハリケーンの甚大な被害から復興半ばのため、訪れることができなかった。そのため、昨年度と同様に、連合王国(ロンドン)で調査を実施した。主な調査訪問機関は、ロンドン大学本部図書館(Senate House Library)、大英図書館(the British Library)、そして昨年度から訪問場所としているロンドンのブリクストン地区にあるBlack Cultural Archivesである。 本研究での研究対象である2人のドミニカ出身のクリオール女性、ジーン・リース(1890-1979)とフィリス・オーフリー(1908-86)についての追加資料として、主に、両者の小説や詩など文芸作品に対する新たな批評を数点、入手することができた。ただし、本研究最終年でいったん終えようとする、彼女ら2人の、独立へと向かう故郷への言動を知るための資料としては不十分であった。一方、今後の研究の基盤となる、移民女性たち、すなわち、リースとオーフリーが本国で出会い、とりわけオーフリーとは交流もあった西インド労働移民の女性たちが、排除と抑圧に直面する中でどう行動を起こしたのかを知る資料を入手することはできた。この西インド植民地をめぐるクリオール女性と、本国へと渡った労働移民女性との「交差」について、論文を完成させることができ、また、5月には、69回日本西洋史学会小シンポジウムでも報告することができた。 この小シンポジウムで一緒に報告をした旧英領カリブ海研究者のうち2名を含む3名で9月にはじめてジャマイカに訪問できたことも、本研究の次のステップの始まりとして、幸運だった。2020年2月には、単独で再度ジャマイカを訪れ、労働移民2世として差別と向き合い、1992年にジャマイカに戻った女性から貴重な話を聞き取ることができた。
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