2020 Fiscal Year Research-status Report
A Historical Significance of Representations of America in Japanese Girls' Culture
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17K02086
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大串 尚代 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70327683)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アメリカ / 少女文化 / 民主化 / 翻訳史 / 西部 / 少女マンガ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の少女文化の中にある海外表象、とくに少女マンガにおけるアメリカ表象を考察することを目的とし、日本の少女文化の歴史や海外文学の受容をたどり、マンガ作品をひとつのテクストとして論じるものである。 4年目を迎えた本年度は、これまでの研究をまとめ、著作を刊行する準備に専念する1年となった。著作に用いる資料の最終確認として、資料収集のためにアメリカでのリサーチや、少女雑誌の収蔵で知られる熊本県の菊陽図書館、CIE教育映画を所蔵する徳島県立文書館でのリサーチを予定していたが、新型コロナ感染症のためそれを果たすことはできなかった。しかしながら、すでに収集した資料をもう一度見直し、これまでに発表した原稿に、出版可能なレベルにまで加筆改稿を行った。現在、出版社と最終的なやりとりを行い、2021年度中の刊行を目指している。 また、本研究を開始した直後から執筆していた少女マンガにおけるアメリカ表象に関する英語論文が、数度の書き直しを経て、Oxford Research Encyclopedia of Literature(オンライン)にて公開された。本論で扱った少女マンガは、主に1960年代から90年代にかけてのもので、最近のマンガ作品とは異なり、英語への翻訳がされていないものも多く、海外での日本サブカルチャー研究にも寄与するものと考えている。また、本年度は日本にも広く行き渡ったアメリカの西部表象に関連して、19世紀アメリカ女性作家から見た西部を論じた論文「西の果てに待つもの――フラー、セジウィック、ルイス・デ・バートンにみるマニフェスト・デスティニー」を発表した。 本年度は移動の制限があったことから、リサーチに限度があったことは確かであるが、その分執筆にかなりの時間をかけることができ、著書刊行の準備が整ってきたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響もあり、最終年度であった本年に十分なリサーチができなかったことが理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在著作になる原稿を執筆し、取りまとめているため、2021年度中の刊行を目指している。また、今回は著書に入れることができなかったものの、少女マンガや女性作家作品に登場する孤児表象の問題について、残りの期間に今後の研究に繋がるようなリサーチを進めることを検討している。
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Causes of Carryover |
本来最終年度であった本年度に、リサーチのために使用するはずだった渡航費、旅費が、新型コロナ感染症の影響で使用できなかったために次年度使用額が生じた。2021年度もまた渡航や移動が制限されることが考えられるため、資料を取り寄せるための費用、またこれまで収集した資料をデジタル化し、資料を整理するための物品費、さらに本研究をより発展させるために必要な資料の購入費に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)