2021 Fiscal Year Research-status Report
Climate Change and Gender - Resilience building and women's empowerment in Timor-Leste
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17K02090
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
古沢 希代子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80308296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気候変動 / 自然災害 / 東ティモール / 脆弱性 / レジリエンス / ジェンダー関係 / エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もコロナ感染により現地調査の実施は叶わなかった。そのため、ジェンダーの視点から自然災害や環境破壊のインパクト及び予防、緊急救援、復興開発に関する施策を分析した先行研究の検討を行い、2019年度までに実施した東ティモールでの調査で得られた知見を含めて「フェミニスト経済学研究会」(2022.3.31 有斐閣オンライン)で報告を行った。 主な参照研究は、浅野・天堂編著(2021)『災害女性学をつくる』生活思想社, Buckingham & Masson ed.,(2017)Understanding Climate Change Through Gender Relations, Routledge, MacGregor ed.,(2017)Routledge Handbook of Gender and Environment, Williams(2016) Gender and Climate Change Financing - Coming out of Margin, Routledge, Buechler & Hanson ed.,(2015)A Political Ecology of Women, Water and Global Environmental Change, Routledge, Enarson & Chakrabarti ed.,(2009)Women, Gender and Disaster - Global Issue and Initiatives, Sageである。その結果、インド西部地震、ネパール大地震、東日本大震災などの経験等から、平時におけるジェンダー関係と女性のアクティビズムの存在の有無が被災時の状況や救援及び復興への参画に影響を及ぼすことが明らかになった。また、自然資源保全の分野では、古典的実証研究であるAgarwal(2009)Gender Perspectives on Environmental Action - Issues of Equity,Agency and Participationは、一時的な異議申し立てを超えて、日常的かつ長期的に女性が森林保全に関与する際の障害と意義を明らかにしており大変貴重であった。一方、国際的な討議の場に視点を移すと、気候変動枠組み条約会議において交差性を持ったジェンダー視点の配慮が問われており、国際的金融措置への監視の重要性を認識した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナの感染拡大により2019年9月以降、現地調査が停止している。1990年代以降、国際的な研究と実践が「環境とジェンダー」から「災害とジェンダー」、そして「気候変動とジェンダー」へと進展し、研究書も続々出版されているため、本分野の重要性及び論点はクリアになった。しかし、東ティモールの事例研究に関しては、女性が多くの役割を担う生存維持的な農業、牧畜、漁業、そして、生活への影響を含めたミクロレベルでの調査、また、コミュニティーから国レベルまでの政策形成における女性の参画の状況に関する追加の現地調査が必須である。
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Strategy for Future Research Activity |
現地への定期便はまだ飛んでいないが、マレーシアからチャーター便が飛び始めたという情報がある。日本と現地におけるコロナの感染状況と規制の方針をふまえつつ、今年度中に現地に飛び、関係者へのインタビューを行う予定である。とくに、首都北方のアタウロ島における温暖化による海洋生態系への影響に関しては、2019年9月に予備調査を行ったのみの段階であり、優先して調査を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染問題により現地調査が実施できなかったため、その費用を残した。渡航と調査が可能な状況になり次第、現地調査を再開する。
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