2018 Fiscal Year Research-status Report
女性議員は家父長制社会を変革できるか?―ルワンダと日本との比較政治学的検討―
Project/Area Number |
17K02093
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
戸田 真紀子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (40248183)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジェンダー / アフリカ / 女性の政治参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝統的な家父長制社会において、クオータ制導入による女性議員の増加が社会に与える影響の有無、大小を調査し、社会の価値観に変化がみられる場合はそのメカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。事例として、女性議員比率世界一のルワンダと、戦前から女性解放運動がありながら、いまだに家父長制社会が制度的にも肯定され、家制度が温存され、女性議員比率が低迷している日本を比較している。 研究2年目となる2018年度は、日本側とルワンダ側双方で研究が進んだ。まず、日本側は研究代表者である戸田による女性議員へのインタビューがルワンダ側と比較できる数まで進んだ。また、資料収集にも進展があった。ルワンダ側も、現地の研究協力者であるプロテスタント人文・社会科学大学のジョセフィン先生とフォーチュネ先生による女性議員へのインタビュー調査が完了した(インタビューにかかる費用が見積もり予算よりはるかに多く、予算内に収めるために、インタビューができた女性議員の数は予定よりも少なくなっている)。戸田が8月にルワンダに渡航し、現地で、両先生から詳細な説明を受け、疑問点についての解説を得た。予算の関係上、日本には1名の先生しか招聘できないが、両先生とも、現地社会の諸問題についても独自に調査をしておられるので、その知見も来年度の学会報告に生かせることに確信が持てた。現地では、2019年度の学会報告に向けての打ち合わせに加えて、1名の先生を日本に招聘するための査証申請の準備も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビューにかかる費用が予算の見積額をはるかに超えていたことと、ルワンダにおいて、ルワンダ人教員が調査許可を得ることが非常に難しかったこと、議員にアポイントメントをとっても予定変更されることが多かったことなどで、インタビュー調査の規模を縮小せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、予定通り、ルワンダのプロテスタント人文・社会科学大学の研究協力者1名が来日し、学会で共同発表を行う(報告希望の申請済み)。学会報告の条件である論文の共同執筆に向けて準備中である。
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Causes of Carryover |
2019年度は研究成果を発表するために、ルワンダから現地の研究協力者1名を招聘して、学会で共同発表を行う予定である。その旅費の確保のため、2018年度は極力費用を抑えたため、4332円の残金となった。
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Research Products
(5 results)