2019 Fiscal Year Research-status Report
女性議員は家父長制社会を変革できるか?―ルワンダと日本との比較政治学的検討―
Project/Area Number |
17K02093
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
戸田 真紀子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (40248183)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ジェンダー / アフリカ / 女性の政治参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝統的な家父長制社会において、クオータ制導入による女性議員の増加が社会に与える影響の有無、大小を調査し、社会の価値観に変化がみられる場合はその メカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。事例として、女性議員比率世界一のルワンダと、戦前から女性解放運動がありながら、いまだに家父長制 社会が制度的にも肯定され、家制度が温存され、女性議員比率が低迷している日本を比較している。 研究3年目となる2019年度は、過去2年間で日本側とルワンダ側で行ったアンケートとインタビューを元にして、ルワンダの現地協力者であるプロテスタント人文・社会科学大学のフォーチュネ先生と議論を深め、研究のまとめを行った。2019年10月18日に、日本国際政治学会ジェンダー分科会において、「女性の政治参加と家父長制社会の変容― ルワンダと日本との比較」というタイトルで共同報告を行った。討論者が英語でコメントをして下さり、それに対してフォーチュネ先生が英語で自身の考えを説明できたことで、ルワンダの状況はフロアに十分理解して頂けたと考えている。日本滞在中、及びルワンダとのメールのやり取りでさらに議論を含め、学会への提出論文を元にして、京都女子大学大学院現代社会研究科の紀要『現代社会研究科論集』第14号に「女性の政治参加と家父長制社会の変容ールワンダと日本との比較ー」というタイトルで共著の論文を掲載した。今後の課題として、同じ家父長制社会でありながら、ルワンダでは女性議員の連帯が進み、日本ではそれが頓挫する理由を考えることとし、フォーチュネ先生と共同研究の継続を合意した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間ルワンダの先生と共同研究を行い、日本の学会で共同報告をし、共著で論文も執筆することができ、さらには次の共同研究のテーマも決めることができているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
この3年間の共同研究の成果を生かして、女性議員の「連帯」に注目して、ルワンダとの共同研究を継続する。新型コロナウイルス感染拡大により、対面でのインタビューが中断しているが、アポはとっているので、多くの女性議員へのインタビューを続けることで、日本の状況を解明していきたい。
|
Causes of Carryover |
年明けに別ルートで女性議員やファシリテーターをご紹介頂けることになり、3月に3名のインタビューを行ったが、さらに多くの関係者をご紹介頂けるチャンスがあるため、次年度に繰り越して、時間をかけてインタビューを行いたい。インタビューを行うための旅費が主な用途である。
|
Research Products
(3 results)