2021 Fiscal Year Annual Research Report
Realisation of Sexual and Reproductive Health through Human Rights-Based Approach to Development
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17K02101
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Research Institution | Kyoto Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
三輪 敦子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (90414119)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジェンダー / 人権 / 開発 / エンパワメント / 人権アプローチ / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
開発プロセスにおいて重要な位置を占めるようになっている権利アプローチあるいは人権アプローチ(Rights Based Approach、Human Rights Based Approach to Development)は、それまでの開発実践が重視していたニーズの適切な充足を重視するアプローチからの大きな転換である。本研究は、同アプローチに基づく女性への支援が、必ずしも教育レベルや識字率が高くない女性が多数を占める「途上国」の地域コミュニティにおいて、女性のエンパワメントに貢献する有効なアプローチになりうるかどうかを実証的に検討することを目的として実施されてきた。 最終年度となる2021年度は、本研究の結論に向けた分析と検討を進めるために、家父長制バーゲニングへの従属、家父長制バーゲニングに影響された適応的選好の影響、そして協調的対立概念とジェンダーを権利アプローチの有効性を検証する際の分析枠組として措定した。そのうえで、スリランカとインドにおける現地調査から得られた結果を分析枠組と照らし合わせ、権利アプローチに基づく実践が女性のエンパワメントに結びつくための条件、留意点、プロセスを考察し、権利アプローチの有効性を検討した。 当初の研究計画では、インドのNGOのワーカーとして地域コミュニティの女性支援に関わってきた女性を招いた国際会議/ワークショップを企画していたが、新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立たないなかで、通訳を介在させつつ、参加者との十分な意見交換や議論の場を保障する国際会議/ワークショップの開催には困難が多く、断念せざるを得なかったのは残念であった。本研究により得られた研究成果の公表と発刊、そして国際会議/ワークショップの開催を視野に入れ、さらに研究を発展させたい。
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