2018 Fiscal Year Research-status Report
Research on Information searching behavior of British, French and German tourists to Japan in case of Contents Tourism
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17K02123
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
中川 正悦郎 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (20755839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 啓子 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (00306854)
田嶋 規雄 拓殖大学, 商学部, 教授 (20328008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インバウンド / 旅行者情報探索行動 / クールジャパン / 消費者行動 / マーケティング / 観光学 / 消費者情報探索 / コンテンツツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、欧州旅行者の情報探索行動に注目し、欧州旅行者が日本に関する情報、特に欧州で人気が高まっている日本のポップカルチャー(JPC)に関連する情報を探索する際に、どのような情報源の利用パターンが見られるのか、またその利用パターンはどのような要因によって規定されるのかを探索的に明らかにし、欧州における効果的な訪日インバウンドプロモーションに対する示唆を示すことを目的としている。 2018年度は、本研究が対象とする英独仏3か国の中でも、ドイツおよびフランスを対象として調査を実施した。具体的には、ドイツを対象とする調査は、JPC関連のイベントであるDokomiの会場において、来場者を対象として実施した。また、フランスを対象とする調査としては、JPCに対して関心をもつフランス人を対象としてオンライン調査を実施した。これらの調査結果を分析すると、近年は欧州旅行者がJPCに関する情報を探索する際に、オンライン上の情報源が積極的に活用されており、SNS、動画サイトの利用度が特に高いことが示された。他方、伝統的な情報源である雑誌や友人・知人のクチコミの利用度は相対的に低くなっていることが示された。ただし、オフラインの情報源であるJPC関連のイベントは、会場で得られる情報の信憑性が高く評価されており、重要な役割を果たしていることが明らかにされた。 さらに、独仏いずれの分析結果においても、JPCに対して好意的な態度が形成されると、直接的または間接的に訪日意図に対して正の有意な影響を及ぼすという結果も示された。したがって、現段階での分析結果に基づけば、欧州旅行者がJPCに対する情報探索行動を通じて、JPCに対する好意的な態度を形成するとすれば、そのことにより実際の訪日行動に結び付く可能性が高まると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に実施予定であったドイツを対象とした調査については、Dokomiの会場において来場者を対象に実施が完了しており、得られたデータの分析も行われた。なお、申請時には、ドイツを対象とする調査は日本関連のイベント(ヤーパン・ターク)で実施予定であったが、来場者の属性を考慮して、JPC関連のイベントであるDokomiにおける調査に変更された。また、フランスを対象とする調査に関しても、オンライン調査の実施が完了しており、JPCに関心をもつ層の情報探索行動の実態を明らかにするうえで有用なデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、イギリスを対象とするオンライン調査を実施する予定である。また、フランスを対象として、追加的な調査としてJPC関連イベントであるJapan Expoの会場において来場者を対象とする調査の実施も予定されている。 これまでに英独仏旅行者を対象として得られたデータを分析することで、英独仏の旅行者が訪日前の情報探索において、どのような情報源の利用パターンが見られるのか、情報探索行動と訪日意図の間にはどのような関係が見られるのかといった点について分析を進め、欧州旅行者の情報探索行動を一般化しうる理論枠組みの構築を行う。また、本研究で得られた知見を対外的に発信するために、研究成果を論文としてまとめ、関連するジャーナルへの投稿を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
フランスを対象とする調査が想定していたよりも安価に実施できたことと、国際学会での報告を行わなかったために調査費用ならびに旅費に関して差額が生じた。
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Research Products
(1 results)