2018 Fiscal Year Research-status Report
ホスピタリティ産業における顧客創造と生産性向上のためのイノベーションモデルの開発
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17K02124
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
五十嵐 元一 桜美林大学, 経済・経営学系, 教授 (00347808)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホスピタリティ産業 / 経営戦略 / 組織 / リーダーシップ / モチベーション / 人材 / 働き方 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題による研究2年目の2018年度は、応用的な研究期間として位置づけている。昨年度研究1年目に実施した仮説構築のための検討に対して、日本より労働生産性が高くホスピタリティ産業においても先進的な事例を有する米国における国際会議を通じて、仮説構築のための再検討を試みた。 2018年6月に米国ニューヨークにおいて開催された、40th Annual NYU International Hospitality Industry Investment Conference (New York University School of Professional Studies Jonathan M. Tisch Center of Hospitality主催)に参加した。本会議では、セッション、ワークショップ、ネットワーキングイベントなどの機会があり、ホスピタリティ産業に関する様々なデータの提示と分析と共に、今後の展望や洞察が提供された。 ホスピタリティ産業のイノベーションは、経営戦略とそれを実行する組織、組織におけるリーダーシップと個々のモチベーション、多様な人材とその働き方、そして、IoT(モノのインターネット)・ビッグデータ・AI(人工知能)などの進化したICT(情報通信技術)の活用によるマーケティングとオペレーション等の有機的な結合によって創出されるものと考える。再構築した仮説では、そのイノベーションの創出により顧客の創造と生産性の向上が可能になると捉えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目は、仮説構築の再検討を試みた。先進事例を有する米国における国際会議を通じて、ホスピタリティ産業のイノベーションが有機的な結合によって起こるものと考えられ、それによる顧客の創造と生産性の向上の可能性が示唆された。所属学会における発表や議論を通じてその精度を高めることを試みたがが、有機的な仮説の統合は現在も進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目までの基礎・応用研究で得られた仮説に対する一般化や外的妥当性を高めるために、国内のホスピタリティ産業に対するヒアリング調査を中心とした事例研究を行う。宿泊業、飲食業、ブライダル業等を中心としたホスピタリティ産業において、主に評価が高い企業を対象にヒアリング調査を実施する。その結果について、所属学会における発表や議論を通じて次年度の開発研究における検証の準備を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度の支払請求額と実支出額の間で発生した差分は、物品費、旅費、その他における概算と実支出の差によるものである。欧米のホスピタリティ・マネジメントの高等教育機関におけるディスカッションを予定していたが、当初の目的の達成と担当授業と出張時期の兼ね合いにより米国のみの参加となったため、旅費やその他(プログラム受講料)に余剰が発生した。次年度は、文献研究と共に事例研究としてホスピタリティ産業に対するヒアリング調査を予定しており、年度末には定量的なアンケート調査を全国で実施することを視野に入れている。研究成果の発表のために所属学会の大会への参加や、事務用消耗品の購入が必要となる。それらに関する物品費、旅費、その他の費用に充当することを計画している。
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