2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02178
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
吉川 孝 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (20453219)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 現象学 / 倫理学 / 生き方 / 行為 / 経験 / アクラシア / 環境 / 企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要
研究の最終年度に当たる本年は、現象学的倫理学研究の中心に位置付けられる状況依存型の行為者に関する研究を発表することができた(New Phenomenological Study in Japan, (Chap.1, Akrasia and Practical Rationality: A Phenomenological Approach担当),Springer, 2019)。正当な道徳判断があっても、それに従うことができない意志の弱い行為者をめぐる問題を現象学の立場から明らかにした。このほかにも、高知県に起きて1970年代に生じた高知パルプ生コン事件をめぐる冊子を編纂した(『高知パルプ生コン事件をめぐる100冊』、吉川孝・森明香編、高知県立大学戦略的研究プロジェクト、2020年)。地域のなかから倫理学の問題を考察する現象学的倫理学の成果になっている。日本倫理学会にて実施された現象学的倫理学をめぐるワークショップの報告を発表することができた(「現象学的倫理学の最前線(主題別討議報告)」吉川孝・池田喬・小手川正二郎・八重樫徹、『倫理学年報』68号、日本倫理学会、86-96頁、2019年)。差別、家族、共感などのテーマについて、3名の発表者が独自のアプローチを展開している。さらには、ポルノ映画の鑑賞経験から、性差別や表現の自由をめぐる問題を考察した(「ポルノ映画の現象学――ブルーフィルムを観ることとアナクロニズムの倫理――」吉川孝、『立命館文学』第665号、2020年2月)。また、水俣をめぐる映画を題材にした道徳経験を現象学的分析を、現象学からの応用倫理学へのアプローチの到達点と位置付けることができる(「道徳経験としての声を聴くこと――土本典昭における水俣病患者の声――」吉川孝、『文明と哲学』12号、日独文化研究所、2020年4月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英語による論文も含めて、複数の論文を発表することができた。現象学的倫理学の共同研究の成果を『倫理学年報』に報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在執筆中の論文を完成させる。
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Causes of Carryover |
英語論文を執筆することになったため。
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[Book] New Phenomenological Study in Japan2020
Author(s)
de Warren, Nicolas, Taguchi, Shigeru,Yoshikawa, Takashi, Murata, Norio, Akiba, Takeshi, Tomiyama, Yutaka, Yaegashi, Toru, Sato, Shun, Murakami, Yasuhik, Ikeda, Takashi, Murai, Norio, Uemura, Genki, Kotegawa, Shojiro, Nagai, Shin
Total Pages
184
Publisher
Springer
ISBN
3030118924
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