2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K02205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40303903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 直樹 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (20449284)
竹元 規人 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80452704)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 章学誠 / 清代学術 / 考証学 / 目録学 / 学術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、清朝の学術の様相を解明すべく、章学誠の主著『文史通義』を目録学の観点から研究した。 成果の公開について言えば、本年度は、『文史通義』内篇巻3の訳注稿を完成させ、「『文史通義』内篇三譯注」として、『東方學報』第95冊(2020年12月。pp.227-374)に掲載することができた。 また、『文史通義』読解のための研究集会を10回ほど開催したが、そのうち、一回を除き、新型コロナ感染症予防のため、オンラインにての開催となったことは残念である。しかしながら、研究集会自体は円滑に行うことができ、『文史通義』内篇巻4について、訳注作成を順調に進め、原稿を完成させることができた。 また、研究代表者の勤務先である京都大学人文科学研究所において、国際的な研究会議「中國學術史與文獻學―以章學誠的學術構想為起點」を2020年3月14日(日)に開催することができた。こちらもオンライン会議ながら、香港・小樽・東京から3名の講演者を招くことができた(張壽安「從「六經」到「二十一經」-- 十九世紀經學的知識擴張與典範轉移」、嘉瀬達男「楊雄的術數學與《太玄》的寫作目的」、永冨青地「王守仁《大学古本傍釈》的日本受容:以佐藤一斎与大塩中斎為中心」)。この国際会議は、本研究計画の成果の一つであり、会議は司会進行含め、すべて中国語を共通言語として開催した。3名の講演者は、いずれも章学誠との関連において、中国学術史をテーマとした研究発表を行い、また我々主催者や参加者とのあいだに熱心な議論が交わされたことは、非常に有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の主たる目的である『文史通義』訳注は、順調に進んでおり、また国際会議を開催することもできたので、順調に進展しているものと考えられる。 ただし、新型コロナ感染症の影響で、国外・国内の出張ができず、資料調査や打合せに多少の支障が生じたことは否定できない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度を新たな最終年度として設定し、鋭意、研究を遂行しているところである。現在、『文史通義』訳注稿(巻4部分)を整理中であり、これを年度内に完成させることを目指している。 また、国際的な研究会議を開催することができればと計画中である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の蔓延のため、国外出張・国内出張ができず、研究調査・研究打合せが十分にできなかったため、今年度に研究計画を繰り越した。本年度においても、国外出張・国内出張が難しいと予想されるため、資料収集に経費を支出することとしたい。
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Research Products
(5 results)