2019 Fiscal Year Annual Research Report
Tracing the history of media-based esoteric movements in postwar Japan: The case of the journal *Nihon Shingaku*
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17K02244
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90271600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 英彦 南山大学, 南山宗教文化研究所, 研究員 (10712028)
GAITANIDIS IOA 千葉大学, 国際教養学部, 助教 (90715856)
塚田 穂高 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 助教 (40585395)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本神学 / オカルト / 伝統仏教のプラクティス / 身体技法の近代化 / 心霊研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、『日本神学』の目次作成を行い、中野裕道(吉永進一)、関口野薔薇(栗田英彦)、藤井岐彦(ヤニス・ガイタニデス)、戦後宗教界の政治転回(塚田穂高)など、各自の分担研究を進めた。ただし、それぞれの個別研究においても、戦前の法華行者から戦後のオカルト、戦前の呼吸法と戦後のヨーガ、戦前と戦後の心霊研究など、第二次大戦による断絶よりも、連続性が浮かびあがってきた。そのために、『日本神学』をより広い文脈に位置付ける必要に迫られた。精神療法、身体技法、心霊研究などの近代史や、仏教宗門における加持祈祷とその制度や近代化などの研究テーマが浮上してきたために、近代仏教研究者など他領域の研究者との情報交換も行う必要が生じてきた。このために、2019年12月21日(土)、20日(日)には静岡市清水区の龍華寺、清水テルサにおいて碧海寿広氏、大谷栄一氏、大澤絢子氏、橋迫瑞穂氏、武井謙吾氏らと研究動向をめぐる意見交換会を行った。しかし、伝統宗門のプラクティスの側面は、近代仏教史研究では長年、空白地帯であったので議論も十分であったとはいえないが、問題の所在やその大きさは明らかになったと思われる。最後に2020年2月23日に東京、田町のキャンパスイノベーションセンターにおいて、戦前の民間精神療法と戦後オカルトの連続性を考えるラウンドテーブルと、中野裕道(担当:吉永)、関口野薔薇(担当:栗田)、藤井岐彦(担当:ガイタニデス)についての発表を含む研究会の開催を予定していた。しかしながらコロナ禍のためにキャンセルせざるをえなくなり、残念ながら、科研プロジェクトのまとめと科研終了後の研究展開を考える機会を失ってしまった。とはいえ、『日本神学』の目次、関連資料の調査や購入、研究リソースをより多くの研究者と共有する基本的な体制は構築できたと思われるので、科研終了後もさらなる研究を進める予定である。
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