2020 Fiscal Year Annual Research Report
Sound recordings in theatre criticism and scholarship: productions of plays by Bernard Shaw
Project/Area Number |
17K02299
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
八木 斉子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10339666)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 芸術諸学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はバーナード・ショーによる演劇作品の録音資料分析を中心とするものであった。「書かれた文字(ショーが著した台本)」とその変換である「音声空間」を照らし合わせて分析し、「文字」と同等の研究意義を「音声空間」に見い出すことが研究の目的であった。当初の研究実施計画では、初年度である2017年度に文献を解読して研究の素地を固め、続く2018年度、2019年度、および2020年度にわたって大英図書館へ計4回出張し、館内でのみ試聴が許されている録音資料を分析し、その結果と考察を論文にまとめて発表することとなっていた。 このうち、2017年度と2018年度については、第1回目の出張も含め予定通りに研究を施行し、論文1本を執筆・発表した。2019年度には、第2回目の出張および2本目の論文の執筆・発表を行うことができたが、年度末の第3回目の出張を新型コロナウィルス感染拡大により取り消したため、この出張で予定していた録音資料の試聴と分析については断念した。同時に、研究実施計画を変更し、もともと分析対象のうちの1つと定めていた演劇作品『ピグマリオン』を「書かれた文字」および東京で入手できる視覚・音声資料から分析する作業を始めた。2020年度も出張が全く叶わなかったため、変更した計画を続行した。年度を通じ、音声、方言、演劇という3つの側面で『ピグマリオン』の再解釈を試み、特に、台本が取り入れている音声事例を20世紀初頭という時代背景およびショーという特異な演劇作家の「音声観」に絡めて分析した。その結果は都田青子、田中真一編『言語のインターフェイス(音声学・音韻論編)』(仮題)の第3章として発表される(2021年10月に開拓社より刊行予定)。 新型コロナウィルス感染拡大により第3回目と第4回目の出張が行われなかったため、未使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)