2020 Fiscal Year Research-status Report
中断された生の残像:死者の写真展示における美学と倫理の問題
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17K02300
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹中 悠美 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (90599937)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 写真論 / 展覧会研究 / 写真集研究 / 写真展のグローバリゼーション / 写真アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、海外及び国内での研究活動に大きな制限があったため追加調査は文献資料のみとなったが、被爆者や災害の写真展と写真集の問題について前年度に国外で行った研究発表を英語論文として公刊したことに加えて、写真の展示だけでなくアーカイブの問題とアーカイブの展示についての考察を進めオンラインでの学会やシンポジウムでの発表を行った。 論文としては英語の査読論文「The Family of Man in Japan: A Photographic Exhibition for World Peace and Atomic Culture in the 1950s」をフィンランドのアアルト大学が発行する学術誌に、英語の招待論文「The Weight of Snow: The Transition in Snowscape Pictures Toward Documentary Photography in Japan」を台南美術館が発行する学術誌に掲載した。 口頭発表としては「Globalization of an art exhibition: Critical responses and a new perspective to The Family of Man」を武漢理工大学主催のオンライン国際フォーラムで、「FSA写真アーカイブの政治性とその美学」を日本写真芸術学会が主催するシンポジウムで発表した。 また哈爾浜師範大学メディア学院、浙江万里学院中德デザインメディア学院、四川農業大学メディア学科の研究者を招いて日中の近代美術、写真、デザイン、雑誌メディアについてのオンライン・ワークショップ「Media Design Transcend Time and Space」を立命館大学で開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画において最終年度に計画していた海外での論文公刊は一年早く実現でき、オンライン会議での発表によって一定の成果は得られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による移動制限に加え、緊急事態宣言の発令下での業務のオンライン化対応に研究時間が大幅に奪われ、予定していた実地検証を基にした考察という研究計画段階に進むことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度も移動制限は継続することが予想されるため文献資料を中心に考察を深め、これまでの研究成果を論文にまとめるとともにオンライン・シンポジウムで発信を行う。
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Causes of Carryover |
前年度の繰越が約53万円あったことと、2020年の2月に予定していた中国から研究者を招聘して開催する研究会は新型コロナウィルス感染対策による移動制限で2021年2月に延期して開催したが、オンライン会議での開催となり、2020年12月に参加した武漢理工大学での国際フォーラムも同じくオンライン会議であったため旅費の使用が大幅に減少した。また、緊急事態宣言で大学構内への入構が禁止されたため、学内研究施設でリサーチアシスタントに依頼する作業も不可能となり人件費も使用しなかったため。 次年度の使用計画として、オンライン会議による研究会やシンポジウムでの講演者への謝金、研究会の報告書を作成のために録音原稿の文字起こしの人件費、および翻訳や英語論文校正の謝金に充当する。
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Research Products
(4 results)