2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reconsideration of Immersion in Aesthetics
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17K02301
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
吉田 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40431879)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | ゲーム / 遊び / 没入 / 虚構 / 錯覚 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、コンピュータ科学や工学、認知科学の分野の研究蓄積を美学・感性学における錯覚や虚構の問題系と結び付けながら、没入概念の包括的理論を構築した。
まず、没入概念そのものの内実と輪郭を理論的に確定する作業を行った。具体的には、コンピュータ科学や工学、認知科学などの学問領域、また仮想現実とゲーム研究の分野で蓄積されてきた研究文献を調査することによって、没入概念の内実と輪郭を明確にし、仮想現実研究の中で展開してきた実在感（プレゼンス）概念と対照させつつ、両者の関係と位置づけを明らかにした。
次に、遊びやゲームを事例として、没入概念をより個別具体的に検討した。「錯覚」および 「虚構」という二つの軸に沿って、賭博やギャンブルにのめり込んでいく構造や、ゲームの中でゲームをやっているというメタ意識を生じさせる事例を分析した。その際、文化人類学や物語理論が参照された。
また、本研究課題の過程で、様々な芸術ジャンルにおける没入と、デジタルゲームを含めたインタラクティブなメディアにおける没入には、原理的な違いがあることが明らかになった。ここから、没入概念をゲームの本質と結び付けて批判的に再検討するという次の研究課題が浮かび上がった。
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