2020 Fiscal Year Annual Research Report
Awsay Strok and his music managements in modern Asia
Project/Area Number |
17K02303
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Research Institution | Osaka College of Music |
Principal Investigator |
井口 淳子 大阪音楽大学, 音楽学部, 教授 (50298783)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | A.ストローク / 興行 / 音楽マネジメント / 上海租界 / アジアツアー / ユダヤ人亡命者 / 大阪朝日会館 |
Outline of Annual Research Achievements |
上海租界を中心に1910年代からおよそ40年間、音楽、バレエなど西洋芸術の興行活動を行ったユダヤ人興行主、Awsay Strok(1875-1956)について、その生涯と興行活動を明らかにすることを目的に資料の整理、分析を進めた。 上海を拠点に実施された芸術家たちのアジアツアーの全貌を明らかにしようと各国語新聞、演奏会プログラムなどを精査した。結果として1918年から1941年までの計63ツアーと戦後の1951年から1955年までの計7ツアーを跡づけることができた。以上の研究成果をウェブサイトによって一般公開した。URL:https://ongakugaku2.wixsite.com/strok/ この日・英二か国語ウェブサイトにはストロークの生涯と興行に関して、ツアー一覧表、写真、新聞記事、公演プログラム(大阪朝日会館)が掲載され、子孫から提供された貴重な肖像写真も含まれている。公演プログラムや入場チケットなどは大阪朝日会館公演に基づいているが、それらは中国・上海では戦争や革命によって、ほぼ失われているため、希少な公演資料である。 さらに、上海発行のロシア語新聞におけるストロークに関する記事、広告を精査した。その成果の一部は2021年1月に中国・上海音楽学院出版社から刊行された単著『流亡者們的楽壇:上海租界的音楽与芭蕾』に含めることができた。 ストロークは国際的音楽マネジメントの開拓者であり、アジア各国の洋楽受容史に多大な影響を与えた。しかしながらこれまで彼の生涯や活動について不明な点が多く、誤った情報が繰り返し引用され続けてきた。ウェブサイトがストロークに関する正しい情報を発信し、一次資料などの新たな発見につながる可能性もある。
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Remarks |
Awsay Strokの生涯と興行活動を紹介するウェブサイト
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Research Products
(2 results)