2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K02325
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鎌田 純子 帝京大学, 文学部, 准教授 (60390746)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 江戸時代の学問興隆 / 絵画製作 |
Outline of Annual Research Achievements |
江戸時代後期の「東照宮縁起絵巻」の制作過程においては、当時の学問知識が反映されるように、絵の内容が改変された点が指摘できる。そこで、今年度は、江戸時代後期の学問興隆の高まりを示す絵画制作の他の例を調査・研究した。 特に、京都国立博物館、九州国立博物館で実施した18世紀前半期に制作された草花図の調査は、これまで描かれなかったような多くの種類、珍しい種類が多数描きこまれており、上層階級における学問の興隆が、絵画制作を牽引した例として重要である。こうした江戸時代全体の絵画制作の流れの中に「東照宮縁起絵巻」もあり、たとえ同絵巻のように確たる粉本が存在していたとしても、絵の一部が改変されるなど、その傾向を受けていたことが指摘できる。従来の研究では「東照宮縁起絵巻」の改変は、あまり注目されることがなかったが、同時代の学問興隆の高まりにおける変化という視点で捉えることで、江戸時代の絵画史に改めて位置づけることができるのではないか、という新たな視点を提示できたことが今年度の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大阪城天守閣に所蔵されている「東照宮縁起絵巻」は、未調査のままである。本絵巻を調査することで、現在確認されている全ての「東照宮縁起絵巻」の比較が可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
大阪城天守閣所蔵の「東照宮縁起絵巻」調査を早急に実施し、現存するすべての「東照宮縁起絵巻」の比較をおこなう。その上で、同絵巻にみられる、こまかな改変や変化させない点を見出し、江戸絵画史における東照宮縁起絵巻の位置づけを改めて考えたい。
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Causes of Carryover |
必要な調査にかかる旅費を使用できなかったため。
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