2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research of the Material Dynamics of Anime Production on the Basis of the Watanabe Collection
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17K02356
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
Kim JoonYang 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00749955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 史明 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20415623)
石田 美紀 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70425007)
原田 健一 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70449255)
渡部 英雄 日本ウェルネススポーツ大学, スポーツプロモーション学部, 研究員 (90633644)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アニメーション研究 / アニメ / アニメ中間素材 / アーカイブ / セル画の保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の2019年度に本研究は、渡部コレクションのアニメ中間素材に対しメタデータの作成をはじめとするアーカイブ化およびデジタル化を進め、当初目標としていた同コレクションの体系的整理作業はほぼ完了した。最終年度に行われた理論的分析として、絵コンテ制作前の脚本と、絵コンテに基づいて制作されるアフレコ台本の異同に着目し、声優と制作スタッフとの緊密な協同関係、特に前者の演技の独自性を実証した。なお、材料工学の研究者も参加・協力のうえで文理融合型の学際的なアプローチによるセル画の保存についての意見交換と実験を行い、セル素材の化学的同定と保存状態の一部が解明された。アーカイブ資料は、イギリス、スエーデン、オーストリアを拠点とする海外の研究者らと共有し、渡部コレクションのアニメ中間素材を用いた研究協力がより幅広く実現された。 本研究組織は、最終年度末に以上の研究成果をArchiving Movements: Short Essays on Anime and Visual Media Materials V2という論集にまとめ発行した。同論集は、本研究課題の成果の一つとして2018年度に発行した論集の第1巻に引き続く第2巻であり、2冊とも英文のみで出版された。論集の第1巻は既に海外の研究者による書評で高く評価された。 本研究は、以上の実証的な研究を進めると同時にアーカイブの活用と研究成果の公開を実践する試みとしてアニメ中間素材に対する学界や一般市民の理解を広げるための活動を展開した。特に、2019年10月にはイギリスで講演・討論会と、渡部コレクション資料の展示公開および意見交換会を行い、同年12月には新潟大学の環東アジア研究センターとアニメ・アーカイブ研究センター共催による市民向けの講演会・公開討論会を新潟市内で開催・発表を行うことで、アニメ中間素材に対する学術的・社会的関心をより一層可視化させることができた。
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Research Products
(5 results)