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2018 Fiscal Year Research-status Report

古典技法を用いた芸術表現における触覚的教育に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K02357
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

猪瀬 昌延  信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40597340)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords触覚 / 彫刻 / 乾漆 / 教育
Outline of Annual Research Achievements

本年度計画していた「触覚の型取りワークショップ」では素材を石膏とし、大学生を対象として行った。そのことから予定していた可塑材を用いた実践的研究を調査実験にとどめ、次年度への基礎資料の作成を行った。可塑材の研究においては、土粘土と油土に絞り、それぞれの特異性とその後の制作工程を考慮し、的確な素材選択を示唆することを目的とした。
素材研究及び試作に関しては、張り子に関して伝統的に使用されていた反古紙と現在身近にある古紙との比較を行い、現在的な素材を用いることに有用性があると考え、素材の選定と加工方法の試作を行った。また、乾漆古典技法に関しては、本研究において脱活乾漆を取り扱う事を想定していたが、芯材を用いた木芯乾漆技法の応用がより効果的であることも考えられることから、次年度に研究を進める予定である。
本研究は、芸術表現における触覚的教育を研究の目的としていることから、制作行為すなわち触覚的活動が表現者において制作行為を通してどのような活動であるのかを明らかにするものである。このことは、制作を始めるに至った動機から、作品の完成を目指す制作者の心的変容を捉えることが重要であり、そのためには同伴者としての存在を置くことで制作行為における制作者の心的変容がより具体的に明示可能であると考えた。このことは、芸術表現が作品と制作者と鑑賞者の三極で成り立つものであるのに対して、行為そのものを客観的に捉えることの可能な同伴者を作品制作に携わせることで、制作行為の中動態に入り込むことを可能にするという考えに至っている。
現在制作行為における中動態を可塑材を用いた行為を検証することで、制作行為がどのように人間形成的意義を持つのかを明らかにする事が可能であると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予期していなかった中動態に関する研究に視野が広がり、研究対象者を制作者のみではなく、制作者に付き添う同伴者にも広げることとした。そのため当該年度予定していた研究展示発表は行っていないが、当初研究計画からの大幅なズレは生じていない。

Strategy for Future Research Activity

31年度は本研究の最終年度となるため、これまでの調査研究をまとめるとともに、以下の事項に関して研究を進める。
1、本年度までに得られた知見をまとめると共に、触覚的教育に関わる素材・技法の考案と実制作による表現効果を明示する。
2、制作行為に関する中動態の研究を進め、本研究への援用を試みる。
3、本研究において中動態に関わる同伴者の提議を示し、そのことから触覚的教育の意義を明らかにする。

Causes of Carryover

当初予定していた研究展示発表を行わなかったため差額が生じた。
次年度使用額は平成31年度申請額と合わせて、研究展示発表にかかる会場及び広報費等に使用する予定である。

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Published: 2019-12-27  

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