2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02373
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
大久保 博樹 駿河台大学, メディア情報学部, 教授 (30458541)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 効果音 / 環境音 / 4K映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,視聴者反応による効果音の最適化要因を調査するため,効果音に対する評価軸が重要となる。そこで,入手・確認し得る効果音について,Webで公開されたBBC(BBC Sound Effects BETA http://bbcsfx.acropolis.org.uk)の16,000種類のライブラリィ音,プロ向け効果音の制作販売をしているPro Sound Effects による289ジャンルから65,300以上のライブラリィ音を確認・入手(前者は一部)して,過去から現在に至る効果音のジャンルも含む種類,品質,効果を与える範囲の有無等について概観した。 本研究の使用に適する効果音は,シングルストリームであり,なおかつ収録時のマイクロフォン特性や性能によるある種のクセ等がのっていないことを最低限の使用要件としているため,こうした点を確認した。また,効果音を時間軸で3分割して再構成するため,擬音の音源についてもデジタルデータへマイニングをしたライブラリィ音源を,前述の使用要件に照らし合わせて改めて確認した。 一方の4K映像(イメージ)については,視聴者反応データを収集する際の再生環境についての目処が立たなかったことから,映像収録器材の検討にとどまった。しかし,撮影計画に直結するシーケンス要件(シナリオ)についての候補は検討し,具体的な実行計画に着手している。また,音声に関しては次年度に向けた基本的な準備はほぼ完了している。映像に関する準備はやや遅れる状況となったが,映像の企画とイメージについての候補をさらに最適なものとすべく,デジタル映像の専門家に最終意見を求めるなどして検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用の対象として検討した効果音の音源の入手でトラブルが続いた。これは,海外の専用サーバーから専用ソフトを使用してのダウンロードによる入手方法を指定されたが,日本国内からの購入ということもあってかダウンロードの速度が非常に遅く,販売先が決めたダウンロード・リンクの有効期限以内に65,300ほどの効果音をダウンロードしきれなかった。このリンクが無効となるトラブルが頻発し,その都度,メールでの交渉と有効リンクの再作成依頼等の調整に時間を要し,結果的に音源入手からライブラリィ・リストの確認まで2ヶ月以上を要することとなった。イメージとなる4K映像の企画・構成・撮影・編集前に,この音源の作業がほぼ完了している必要があることから,結果的に映像に関する進捗にも影響が及んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の大幅な変更は生じない見込みのため,進捗管理をこれまで以上に細かく行い,早期に映像(イメージ)とシーケンスの固定をはかる。映像の撮影と編集に早期に取りかかり,使用する効果音のカテゴリーや内容を確定させ,効果音の選定基準と構成方法の検討をMA作業の内容と併せて綿密に行なう。年度の前半中には,視聴者反応を調べるために適切な映像と具体的個別的な効果音の組み合わせを決定すべく編集と共有作業を進める。その後,視聴者による印象評価に適し,研究目的に叶う演出方針に基づいたコンテンツを完成させ,データ収集と評価に取り組む。
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Causes of Carryover |
効果音の入手と選定の工程で進捗に予定外の遅れが生じたこと,4K映像制作に関する撮影環境等の整備には金額もかかる傾向があるため,慎重を要したことによる。本年度は,本研究の確かな推進に必要であり,必須である音源環境を中心として予算を執行するにとどめたことも関係する。 新年度では,予算の執行と時期を慎重かつ前倒しに検討し,次年度の計画と併せて進捗を見直す。スケジューリングの見直しと再設定等を細かく行うことで,当初の計画による研究目的の達成に向けた使用計画とする。
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