2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the interrelationship between music extension models and the creative environment using information processing technology in the 21st century
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17K02377
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Research Institution | Toho Gakuen School of Music |
Principal Investigator |
金子 仁美 桐朋学園大学, 音楽学部, 教授 (00408949)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 音楽 / ミクスト作品 / 作曲教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、研究の総まとめとなる成果発表を予定していたが、パリ第8大学でのFAUSTシンポジウム、アンサンブル・イティネレールによる録音と、それに基くパリ国際学生都市での研究発表、北パリ人間科学館でのミクスト作品発表等フランスでの企画と、ミクスト作品制作、表現モデルの拡張をテーマとした新作発表等日本での企画がほぼ全て新型コロナ感染の状況により中止、延期となった。しかし、上記企画のうち録音については、当初予定の規模を半分にし、コロナ下での先駆けとなる録音を実現させた(その後もフランスでは、演奏会開催の許可が出ない間を利用し、録音活動が活発化、21世紀に生み出された貴重な作品が多く記録されている)。 フランス国立音響音楽研究所で開発されたプログラミング言語Open Music, Maxや、アメリカのCockos社が開発したディジタルオーディオワークステーションReaperを使ったヤン・マレシュの講座(ブーローニュ地方音楽院)に年間で参加し、作曲専攻生への教育法や音楽創作への利用により如何に表現モデルを獲得できるかを調査研究した。受講生に費用を負担させずに質の高い創作環境を提供する現場調査は、日本での作曲教育の展開に繋がりつつある。 パリ第8大学のアラン・ボナルディ博士論文指導講師が取り組むプログラミング言語FAUSTによる作曲教育は、信号処理アルゴリズムを直観的に捉えることが出来る特徴を生かすもので、大学院生の制作に立ち会い、自ら実践する機会も得、日本で一般的なソルフェージュや和声学等を必修とした伝統的な作曲教育とは異なる新しい教育法の可能性を見出した。 桐朋学園大学紀要に執筆した「コンピュータは芸術音楽の創作に本質的変化を引き起こしたか」が、韓国の音楽美学会による書籍『デジタル革命と音楽』(Monopoly Publisher, 照井孝行氏翻訳,出版準備中)に掲載予定。
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Research Products
(1 results)