2022 Fiscal Year Annual Research Report
The cognitive process of drawing focuses on imagination and creation
Project/Area Number |
17K02393
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Research Institution | Kyoto University of the Arts |
Principal Investigator |
齋藤 亜矢 京都芸術大学, 文明哲学研究所, 教授 (10571432)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アート / 描画 / 物遊び / 見立て |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者らがこれまでにおこなってきた「絵を描くことの認知的な基盤とその発達」についての研究を発展させ、「描画のプロセスにおける想像と創造」に焦点をあてた研究である。描画をはじめとする芸術表現の制作プロセスについての実験研究、アーティストのインタビュー、分野を横断する文献研究など、多角的な視点から創造性について考察し直し、描画教育のあり方を再考することを目的としておこなってきた。 2022年度は、申請者が以前おこなったチンパンジーの物遊びについての実験データを分析し、物の見立て遊びと描画における見立てとの類似性および相違点についてまとめ、進化の視点から人類史における遊びとアートの関連について論じた論文が刊行された。本年度刊行された『児童心理学・発達科学ハンドブック』において、芸術の発達をまとめた章の翻訳をおこなった。また、東京大学生産技術研究所のプロジェクトと連携して、北海道の芽武earth lab.を拠点に、アーティストの制作プロセスを観察するフィールドワーク、およびインタビューをおこなった。また展覧会を鑑賞し、アーティストの表現活動について認知科学の視点から考察した論考が、雑誌に4本掲載された。国立民族学博物館の「描かれた動物の人類学」共同研究会で、人類学者やアーティスト等とともに学際的な議論を継続しておこない、フィールドワークもおこなった。これまでの研究成果に基づいて、新聞や一般向けの雑誌等に執筆をおこなったほか、幼稚園教諭、高校生、一般などを対象とした描画ワークショップをおこなった。
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