2017 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Studies of Visual Design and Related Areas between Poland and Former Soviet Union
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17K02405
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Research Institution | The Museum of Modern Art, Kamakura and Hayama |
Principal Investigator |
籾山 昌夫 神奈川県立近代美術館, 普及課, 課長 (80393073)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポーランド / ポスター / ソヴィエト / 視覚デザイン / ソヴィエト連邦建設 |
Outline of Annual Research Achievements |
神奈川県立近代美術館が所蔵する約300点のポーランド・ポスターの詳細な調査を実施し、ポスターの周縁部などに刷り込まれているすべての文字情報を収集した。その後、平成30年度のデータベースへの入力を視野に入れ、その翻訳を始めた。一方、半世紀近く経っているポスターの中には保存状態のよくないものも認められた。そのため、研究資料の保存の必要性を認識し、平成30年度に必要な手段を講じることを検討した。 この事前調査に基づいて、9月にはワルシャワのヴィラヌフ・ポスター美術館(Poster Museum at Wilanow, 10/16 St Kostki Potockiego Street, 02-958 Warsaw, Poland)にて調査を実施し、同館代表者と学芸員、および現地研究協力者の支援を得て、ポスターの周縁部などに刷り込まれている文字情報等から、多くのポスターの制作年、印刷所などを特定することができた。また、同館学芸員とは、平成31年に実施する展覧会に向けて、さらなる研究協力を進めることを確認した。具体的には、展覧会図録への論文寄稿を依頼するなどした。 さらに、12月には、旧ソヴィエト連邦の視覚デザインに関して、周辺領域である宣伝雑誌『ソヴィエト連邦建設』について、20世紀メディア研究所の第116回研究会にて口頭発表(『ソヴィエト連邦建設』に見るロシア革命――1937年から1917年までを振り返る )を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画通り、ワルシャワのヴィラヌフ・ポスター美術館にて調査を行い、実際に成果を上げた。また、同館学芸員との将来的な協力関係も確認できた。さらに、周辺領域の研究発表も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画の通り、平成30年度前期は、前年度のヴィラヌフ・ポスター美術館での調査をまとめ、神奈川県立近代美術館が所蔵するポーランド・ポスターの情報をデータベース等へ入力する。また、所蔵ポーラント・ポスターによる展覧会を平成31年度に開催するための準備を始める。 後期は、状態の良くないポーランド・ポスターについて、必要な保存手段を講じる。また、データベース等への情報入力を完了し、法令上可能な範囲で公開する。また、展覧会の準備と併せて、本研究の成果発表のひとつとして展覧会図録への掲載論文等に着手する。
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Causes of Carryover |
神奈川県立近代美術館が所蔵するポーランド・ポスターの詳細な調査をする過程で、半世紀近く経っているポスターの中には状態のよくないものも認められた。そのため、研究資料の保存の手段として、額に封入することなどを検討しており、次年度使用額と直接経費の使用内訳の変更を合わせて、緊急的に対応することを考えている。また、ポーランド・ポスターの展覧会が、平成31年度4月当初からの開催に決定したため、研究の進捗をそれに合わせるため、助成金の前倒し支払い請求を行う予定である。具体的には、展覧会図録を寄稿するヴィラヌフ・ポスター美術館学芸員への謝金、翻訳料、シンポジウム開催経費等に支出する。
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Research Products
(1 results)