2018 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Studies of Visual Design and Related Areas between Poland and Former Soviet Union
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17K02405
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Research Institution | The Museum of Modern Art, Kamakura and Hayama |
Principal Investigator |
籾山 昌夫 神奈川県立近代美術館, 普及課, 課長 (80393073)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポーランド / ポスター / ムロシュチャク / トマシェフスキ / レニツァ / ムウォドジェニェツ / チェシレーヴィチ / スタロヴィエイスキ |
Outline of Annual Research Achievements |
神奈川県立近代美術館が所蔵するポーランド・ポスターの内、組作品を同定し、全体で31作家(1デザインチームを含む)による290点であることを確定した。ここから、平成31年4月6日から令和元年6月23日まで同館で開催される「日本・ポーランド国交樹立100年記念 ポーランド・ポスター展」には、下記の14作家(1チームを含む)による176点の出品を決定した。 ユゼフ・ムロシュチャク(1910-1975)、ヘンリク・トマシェフスキ(1914-2005)、フベルト・ヒルシェル(1924-1999)、マチェイ・ウルバニェツ(1925-2004)、ヤン・レニツァ(1928-2001)、ヤン・ムウォドジェニェツ(1929-2000)、ロマン・チェシレーヴィチ(1930-1996)、フランチシェク・スタロヴィエイスキ(1930-2009)、ヴァルデマル・シフィエジ(1931-2013)、カロル・シリフカ(1932-2018)、ボグスワフ・バリツキ(1937-2010)&スタニスワフ・ワベンツキ(1935-)、レシェク・ホウダノーヴィチ(1937-)、ミェチスワフ・グロフスキ(1941-2011)、ヴワディスワフ・プルタ(1949-)。 また、株式会社東京美術から図録兼書籍として『神奈川県立近代美術館所蔵 ポーランド・ポスターの光彩』(研究代表者編著、平成31年4月刊行)を刊行することになり、巻頭論文「ポーランド人民共和国のポスター芸術と神奈川県立近代美術館のポーランド・ポスター」と14作家の解説を執筆し、巻末リストに詳細な作品データを掲載した。 さらに、ヴィラヌフ・ポスター美術館の学芸員の協力を得て、作家またはその遺族、あるいは著作権管理団体に連絡を取り、出版物等の著作権使用許諾手続きを行った。176点の作品情報と著作権許諾を得た画像を、神奈川県立近代美術館の所蔵作品データベースで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
176点の作品情報と著作権許諾を得た画像とを神奈川県立近代美術館の所蔵作品データベースで公開できた。平成31年4月6日から「日本・ポーランド国交樹立100年記念 ポーランド・ポスター展」を実施し、その図録兼書籍『神奈川県立近代美術館所蔵 ポーランド・ポスターの光彩』(研究代表者編著、東京美術、平成31年4月)を刊行することで、調査研究成果の社会への広い還元が可能になった。残念ながら図録兼書籍への寄稿とシンポジウムへの参加をお願いしたヴィラヌフ・ポスター美術館の学芸員が平成30年末に体調を崩し、寄稿もシンポジウムの開催も叶わなかったが、その代わりに、ポーランド人民共和国独立の1952年からワルシャワ美術アカデミーでグラフィックアートを指導し、「ポーランド派ポスター」の礎を築いたユゼフ・ムロシュチャク(1910-1975)のご子息で、自らも世界的に活躍しているグラフィックデザイナーでもあるマルチン・ムロシュチャク氏から1970年頃のワルシャワ美術アカデミーについての回想を寄稿してもらうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年6月に、第1回はポーランド人民共和国のポスターについて、第2回はソヴィエト連邦のポスターとの比較について、計2回の講演会を予定している。特に後者は本研究課題の核心についての試論となり、それを検証して令和2年3月に刊行を予定している報告書に研究論文として掲載する予定である。また、同報告書には神奈川県立近代美術館が所蔵する290点のポーランド・ポスターの内、図録兼書籍未掲載分の詳細な作品データを掲載し、図録兼書籍を補完する予定である。さらに、ヴィラヌフ・ポスター美術館の学芸員には、図録兼書籍の代わりに、同報告書への寄稿を依頼する。実現できなかったシンポジウムに代わってヴィラヌフ・ポスター美術館の学芸員と意見交換し、報告書への寄稿を依頼するため、また、上記の試論の検証、報告書の著作権使用許諾等のため、令和元年10月頃にポーランドと旧ソヴィエト連邦地域を訪問する予定である。
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Causes of Carryover |
第一に、ポスター保存のための額装等費用を前倒し支払いも受けて準備していたが、見積もり合わせの結果、予定よりも大きく支出を抑えることができたこと、第二に、ヴィラヌフ・ポスター美術館学芸員の体調不良のため、シンポジウム開催が叶わなかったために想定外の次年度使用が生じたが、当初(平成29年度科学研究費助成事業交付申請書)の研究実施計画では、招聘が叶わない場合には論考を報告書に寄稿してもらうことになっており、その原稿料と翻訳料を支出する。また、試論の検証等のため2019年10月頃にポーランドと旧ソヴィエト連邦地域を訪問すること(A)、さらに、その成果を論文として掲載する報告書の刊行(B)に支出する予定である。 次年度使用額715,000円+翌年度請求額500,000円=1,215,000円 (A)400,000+(B)815,000(原稿料、翻訳料、校閲料、印刷費等)=1,215,000円
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Research Products
(3 results)